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読書家: 次に、物語というかエピソードの面についてはいかかでしょう。
ところで、「ナウシカ」にはすごく長い歴史が込められているのですが、それについては、このブログで取り上げているから、話しません。
歴史家: 物語としては戦争や戦闘、あるいは「たたかい」の場面が多いということでしたが、たしかに面白くわくわくしたアニメ作品をつくるということでは、戦いの物語が多くなるのは仕方がないでしょうね。
言い換えれば、物語は登場人物の個性のぶつかり合いという形にすると面白さが引き出せますからね。
絵描き: そういう「対決」の最も極端な形が「闘争」で、とくに「戦争」ですね。
「ナウシカ」では戦闘シーンが続きましたね。
というよりも、トルメキア戦記の1節として、風の谷での事件が登場した感もありますね。
読書家: 前にもいいましたが、宮崎駿はいろいろな軍事用語や戦記を深く理解しているように見えます。兵器というか「メカ」もかなり工夫して描いている。スタッフに軍事オタクあるいは兵器オタクがいるのでしょうかね。
歴史家: それでも、主人公たちは「戦いの悲惨さ」とか「むなしさ」を強く理解している。戦いがカッコイイというふうには描いていない。
私たちは、何をめぐって戦いが展開されているのかについて深く考える必要がありますね。戦闘シーンの描き方の技巧もさることながら。
読書家: 「トトロ」では、田園地帯のお化けが出そうな屋敷に引っ越してきた家族の、とくに姉妹の初夏から真夏にかけての、ちょっとした日常の冒険でしたね。うっそうした屋敷森や大樹、樹林に囲まれた古い社の神秘性がよく出ていた。
トトロの大らかさ、人懐こいバス猫の疾走はすばらしかった。