12世紀半ば〜末頃の地中海の状況

  この絵地図は、1160−1200年頃の地中海の地中海の状況を示すもの。
  ビザンツ(東ローマ)帝国は勢力を衰退させ、アナトリアの大部分を失い、バルカン半島でもマジャール族や南スラブ諸族の勢力圏に圧迫されるようになった。
  南イタリアとシチリアの二重王国は、ドイツのローマ帝国に組み込まれた。イベリア半島ではレコンキスタが進展して、バレアレス諸島はキリスト教勢力が支配することになり、バルセローナ伯領(アラゴンと連合王国を形成)となっていた。コルシカ島とサルデーニャ島はジェーノヴァが支配することになり、ジェーノヴァを筆頭に半島西岸のイタリア諸都市は地中海西部に貿易拠点を広げようとし始めていた。
  地中海西部では、イスラム勢力は縮退して、北アフリカ沿岸部にまで後退していた。しかし、地中海東部では、エジプトの太守王朝が勢力を拡大し、艦隊をが島嶼を襲撃するとともに、その地上軍がシリア海岸を北上しビザンツ帝国を脅かすようになっていた。
  ヴェネツィアは地中海東部に影響力を広げて、イスラム勢力に対するビザンツ帝国の海上防衛を担当し、その通商拠点は十字軍の遠征経路として利用されるようになっていた。