歩兵連隊テルシオ

上の絵図は、1600年ニーウポールトの戦いにおけるテルシオの行軍 (出典:Wikipedia「テルシオ」)
この絵図――多分に模式的な絵柄だが――で見るように、連隊の主力は槍兵隊だが、その前後左右に銃部隊が防護陣を形成し、さらに遊撃のための騎兵隊が随伴する。このように基本としては3つの兵種(3分隊テルシオ)からなる。連隊の最前列には威嚇兵器として大砲(車輪付き)が置かれている――平坦で固い地面の上では行軍時には馬列が牽引した。大砲は舗装道路がある都市部(ことに攻城戦)では比較的に役立ったが、しかし、野戦では鈍重で運搬が難しく、運動性がきわめて低劣で役に立たなった。
下の絵図は、1568年のハイリヘルレーの戦いにおけるテルシオ (出典:Wikipedia「テルシオ」)
手前には騎兵隊が展開しているが、短銃を抱えた軽騎兵だ。馬上からの銃撃(騎射)では命中率はきわめて低いが、戦線突破や敵対列蹂躙のために投入されたものと見られる。