1080年ごろの西ヨーロッパ

  この絵地図は、11世紀末頃の西ヨーロッパの地政学的状況を概略図示したもの。
  西フランクは、名目上カペー家が王位を継承して「フランス王国」となった。けれども、カペー家の王領地はガリアの有力諸侯のなかで小さい方だった。最有力の君侯ノルマンディ公は、イングランドへ遠征して属領とし、その王位を獲得した。
  西フランスでは、ロワール河の中下流域でアンジュ―伯が広大な領地を確保し、自立的な侯国を形成していた。南西部でもギュイエンヌ公が広大な領地を保有して、やはり独立の公国を形成していた。
  やがて、ノルマンディ公位と領地に加えてイングランド王位をアンジュ―伯が継承し、さらにギュイエンヌ公位と領地を獲得することになる。アンジュ―家門はプランタジュネ家として、属領イングランドとフランス西部を支配する最有力の君侯となる。