映画制作に関するノート @

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時代背景と時代考証

ヨーロッパやアメリカ(ハリウッド)では、映画撮影にさいしての時代背景や社会状況を描き切るための努力はものすごい。
たとえば、この映画《炎のランナー》に出てくるものを見てみよう。1920年代のブリテンを厳密に再現している。
衣装や帽子、靴、スーツなどの服装、自動車、機関車などの交通機関、そして、レストランで使われる皿や食器、ワインや酒類、人びとがたしなむタバコ(箱)、さらには陸上競技場の姿、街の様子。

これらは、制作陣に属する(雇われた)歴史・時代考証家、学者、ファッションの歴史家などがそれぞれ専門知識や技能を生かして、服装や背景備品を1つ残らず徹底的に検証する。

で、その結果求められる衣装やら道具やらを、これまたすべて調達するのだ。
すごいのは、そういう需要に応じて、古い時代の衣装やら靴やら帽子やら、タバコの銘柄・箱、食器や家具などを、売るにしろ、貸し出すにしろ、万全に提供できるサーヴィス業者がいるということだ。
彼らは、普段から世界中をかけずり回って、アンティーク・骨董・古美術やら小道具やらを探し出し、買い付けて回っているのだ。

たとえば、ハリウッドの街には、そういう専門業者が店内や倉庫に、古い時代からの酒瓶やら帽子やらタバコなどを何千種類も保存・展示して商売している。
もちろん、じっさいに貸し出すのは、本物そっくりにつくった精巧な模造品らしいのだが。