落ちたところは、カケスのテリトリー。
キキは縫いぐるみを捜そうとしましたが、カケスの群に襲われ、追い返されてしまいます。
「配達は信用第一」ということで、相棒のジジを鳥かごに入れて、とりあえずはお届け先に配達。あとで、ジジとぬいぐるみを取り換えようという算段です。
配達後、こんどは地上から森に歩いて入って、地上から捜すことにしました。
すると、森のなかに一軒の丸太小屋を見つけました。
それは、若い女性画家ウルスラの夏のアトリエ。
彼女に訳を話して、キキは縫いぐるみを取り返してもらい、そのほころびを直してもらいました。お礼は、家の掃除。
それがきっかけで、女性画家と意気投合、仲良しになりました。そして、無事にジジとぬいぐるみを取り換えることができました。
ある日、キキは街角で飛行機マニアの少年、トンボと出会います。
トンボは、空を自由に飛べるキキの才能・能力に感動します。キキはトンボにとっては尊敬の的なのです。
というのは、トンボは四苦八苦して空を飛ぶ能力=人力飛行機を手に入れようと願っています。なのに、キキは生まれながらに空飛ぶ能力を備えているのですから。
トンボはキキに気安く声をかけるような、気さくでチョイ悪の少年です。キキは、ちょっと警戒します。
でも、彼は「非行少年」ではありません。「飛行少年」なのです。
空を飛ぶものにすごく関心があって、現在、人力飛行機を開発・製作中。
若きエンジニアです。
ある日トンボは、仕事がなくて少し落ち込んでいたキキに、自分たちのクラブのパ−ティへの招待状を手渡します。
男の子からの招待なんて、キキは生まれてはじめて。
そのパーティの当日の昼間、山の手の邸宅の老奥様から配達の注文が入りました。孫娘の誕生日パーティの贈り物を家に取りに来てから届けてほしい、という依頼でした。
ところが、受け取りを約束した時間に邸宅に行ってみると、電機オーヴンが故障して、贈り物のパイが焼き上がっていません。
キキは、薪を燃やして使う古いオーヴンでパイを焼き上げることにします。
なんとか夕方までにパイができ上がりました。
ところが、その家の居間の時計は1時間遅れ、急いで老婦人の孫のパーティに届けないと、トンボたちのパーティに間に合いません。キキとジジは箒に乗って飛び立ちます。
ところが、ところが途中で空模様は一変して、激しい夕立。それでも、自分の服でパイの入ったかごを覆い、雨に濡れないようにかばいながら、孫の住む家に急ぎます。で、なんとか無事に届けることができました。