魔女の宅急便 目次
失敗する自由のすばらしさ
キキ、修行の旅に出る
冒険とは善意を信じること
失敗が知恵や出会いを生む
出会いは冒険
スランプは大事な経験
自分の個性を見つける
夢中になってスランプを忘れる
冒険に挑む少女キキ
かわいい子には旅をさせよ
失敗する自由、ばんざい!
今、このときを大切に
いろいろチャレンジさせる
幅広く価値観を選ぶチャンスを
素朴な疑問や批判精神こそ大切
自分の興味に突き進め!
「教育」についての勘違い
フィンランドの教育
「弱い国」の「強い生き方」
人口過密社会=日本の問題
「国のありがたみ」の意味

◆スランプは大事な経験◆

  けれども、裕福そうな家庭に暮らす孫娘は、お礼を言うどころか、「このパイは好きじゃないのよね」とつぶやく始末。キキは落ち込みます。
  そして、トンボたちのパーティが始まる時間はとうに過ぎてしまい、しかも、キキの一帳羅の服はずぶ濡れ。もうパーティには行けない……。
  キキはすっかり落胆してしまいます。
  ずぶ濡れで下宿に帰ったキキは、疲れや落胆もあってか、風邪をひいて寝込むことになりました。

  やがて、キキは回復しますが、魔法の方はどん底のスランプに陥ってしまいます。
  猫のジジのことば(鳴き声)を理解できなくなり、箒で空を飛ぶ力もすっかり弱ってしまいました。
  必死で空飛ぶ練習をしますが、うまくいきません。もがいて悩むキキ。
  すっかり落ち込んでいるキキにパン屋のおかみさん、オソノは歩いて届けられる荷物の配達を頼みます。
  道順を教えてもらって行ってみると、なんとトンボの家でした。

◆自分の個性を見つける◆

  トンボはキキに、現在開発に取りかかっている人力飛行機の動力部を見せます。それは、自転車を改造して、ペダルの動きを伝動してプロペラの回転にするフォーミュラです。

  トンボはキキを後ろの荷台に乗せて、海岸まで、このプロペラ自転車の試験運転と練習に出かけます。
  海辺までの坂道をプロペラ自転車は一気に駆け下ります。そのとき、キキは無意識のうちに飛ぶ力を使いました。
  ところが、海岸段丘の縁を回る急カーブでは、道路を飛び出して海岸の草原に転落してしまいました。が、2人とも怪我もなく、無事「着地」しました。
  浜辺には、いま町で評判の大型飛行船が係留されていました。
  トンボは、仲間といっしょに飛行船見学に行こうと誘いますが、キキは急に気分を変えて、帰宅してしまいます。
  どうやらキキは、自分とほかの少年少女たちのと違いというか、距離を感じたようなのです。

◆夢中になってスランプを忘れる◆

  しばらくしてから、あの山の手の邸宅の老婦人からまた仕事の依頼があって、キキは屋敷を訪ねます。
  実は老婦人は、このあいだのお礼をするためにキキを「お茶」に呼んだのです。
  老婦人と家政婦とキキが「お茶」をしていると、外を一陣の突風が吹き抜けました。

  ところがテレヴィのニュースは、係留されていた飛行船が突風で飛ばされてしまったと伝えます。トンボは係留索につかまったまま、吊り上げられてしまいました。
  舵を失った飛行船は風に流されて時計台横の建物に倒れ込み、トンボに危険が迫ります。
  キキはトンボを助けようと邸宅を飛び出して、街に走り出します。
  途中で、掃除作業のおじいさんからデッキブラシを借り、箒の代わりにして飛ぼうとします。

  このときキキは、スランプに陥ったことなどすっかり忘れ、ただトンボを助けなきゃと必死に飛び上がろうとします。が、デッキブラシはなかなか言うことをききません。
  それでもなんとか、時計台の近くまで飛び、トンボを助けようとしますが、うまくいきません。
  必死の苦闘の結果、力尽きたトンボが綱を手放し地面に落ちる寸前に、なんとか助けることができました。
  近くの住人や現場に駆けつけた大勢の人たちが、みんなキキとトンボに声援を送って励ましてくれました。

  この活躍で、デッキブラシにまたがる魔女キキは、街の住民の多くに知ってもらえるようになりました。

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