私の場合、映画の物語や登場人物、背景などについての記事は、次のような手順でつくり上げていきます。
@まず、その作品について、一番印象に残っている事柄をメモする(メモ帳や頭のなか、あるいは、草稿ファイル作成として)。
A大体の構成、話の筋道を大雑把に構想する。もちろん、流れや筋道が立たない場合も多い。
BDVDなどで、映画作品を観る。こうして、それまでの自分の構想や仮説が「正しいか(いや、間違っていないか)」確認する。
C一通り映画作品を観てから、文脈や因果関係、背景についてのイメイジについて、検証しながら物語や事件を素描してみる。この段階で、「わかっていない点」については、その場面やシークェンスを見直して、確認する。
D原作がある場合には(多くの場合には、以前に読んである)、原作を読み直してみたり、作品についての評論記事を読む(書籍以外には、海外のサイトの場合も多い)。歴史的な事件の場合には、その出来事について調べるたり確認したりする(学術論文の場合もある)。
Eほかの記事(自分の知る限り)ですでに書かれていることは書かないように、自分なりの味つけや視角を考える。
Fとりあえずの「完成文」としてブログに投稿する。
Gその後の追加の段階で、以前の記事内容を修正する(つじつまを合わせる)。
この方法は、試行錯誤の結果として、このサイトに先行する――土台となった――ブログを立ち上げてから数か月のあいだにでき上がりました。
このくらいしないと、私は映画の物語・背景・文脈について「わかった」という気にはならないのです。
でも、映画の制作陣や時代考証スタッフは、その何倍も取材し検討を重ねているのです。作品をつくるということは、大変なことです。
要するに、私自身が、その映画作品について理解するために――それは制作スタッフの意図や努力の一端を知ることになる――書いているわけです。
読み手が面白かろうが、つまらなかろうが度外視して、私自身が作品を理解するために、「こうやったら、自分にとって面白い、興味深い」という立場で記事を作成するのです。自己検証というわけです。
で、こんな風にして記事を書いてみると、これまで私が映画についてどれほど「いい加減」にしか鑑賞し理解していなかったか、ということを思い知らされることになります。まあ、ひどいものです。