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これは「映画評論」ではありません。
映画やドラマで描かれるあれこれの素材について思索をめぐらせる試みです。
ここで映画やドラマの素材とは、作品中で描かれる物語そのもの、登場人物、背景となっている社会状況、時代、事件など、そしてまた、これらを描き出すための道具立て、たとえば町並みや田園の風景、建築物、室内装飾、交通手段、人びとの服装、持ち物などです。
個人や集団(家族や団体など)の行動様式や習慣、雰囲気なども、場を表現(演出)する素材となります。
◆関連サイトのご案内◆
世界経済における資本と国家、そして都市・・・世界経済の文脈でヨーロッパ諸国民国家の形成を読み解く国家論の試みで、この映画サイトの土台となっているものです。
すぐれた映画の製作者たちは、物語や人物、できごとなどの映像表現に奥行きや厚みをもたせようとします。そのため、歴史的背景や社会状況についてかなり深く学び、細部にわたって検討考察し、あるいは時代考証などをつうじて、このような状況設定(道具立て)を入念に準備します。
とはいえ、編集・完成された映画作品では、その道具立てを表現するシーンはほんの数秒、ほんの一瞬で終わってしまうかもしれません。ところが、それは映像、作品全体の質や深みを決定し、方向づける事柄かもしれません。
しかも、その場面を構想し脚色し、状況設定や人物配置などを演出するために何か月、いや何年もかかったのかもしれません。
そういったものに、あくまで私なりに(私の好みや感性、経験、知識に即して)アプローチし、ひねり回し、こね回してみようというわけです。
映像を材料にして、描かれた状況や物語、事件や人物などについて社会史的な視点から分析をおこなうということになります。
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ヨーロッパ諸国民国家の形成史を世界市場的文脈のなかで読み解く