ゴッドファーザーV 目次
あらすじ
発端 ヴァティカンによる叙勲
謀略の構図―ヴァティカン
謀略の構図―ニューヨーク
陰謀の背後に
謀略、そして反撃
散開し交差する暗殺者たち
マイケルの「罪業の報い」
修正された結末
カルヴィ事件との関係

謀略、そして反撃

  マイケルとその側近たちは、アメリカとシチリアを行き交いながら、謀略の黒幕を探り、失地(金融的損失)を奪回するための作戦を練ります。
  マイケルはシチリアの穏健な有力者、ドン・トマッシーノを顧問格に迎え入れました。彼はイタリアの政財界や教皇庁の裏事情に通じていたのです。
  トマッシーノは、今回の謀略の構図を推察してマイケルに伝え、事態の打開のためにヴァティカンのリベラル改革派、ランベルト枢機卿を紹介します。

  マイケルが想像していたとおりでした。
  アルトベロは会議に有力なボスたちを集めておいて皆殺しにし、アメリカでのマフィアのなかで最優位に立ち、かつイタリアとシチリアでも裏世界だけでなく政財界にも権力を拡張しようとしていたのです。
  とはいえ、これだけ大規模な謀略の背後には、アルトベロを指南しチェスの駒として動かしている大物がいるにちがいありません。それはルケージではないかというのです。

 ヴィンセントはマイケルと仲違いしたかに見せかけて、ドン・アルトベロに近づき情報収集役になり、さらにうまくいけば「トロイの木馬」になろうとします。
  しかし、アルトベロと会い、その背後にいる黒幕、ルケージの存在を知るや、マイケルの身辺護衛に徹する立場に戻ったようです。
  というのも、彼らはイタリアの政財界を牛耳るための巨大な謀略と権力闘争を企図していたからです。

  一方、老いてなお権勢拡張に執着するアルトベロは、コルレオーネを破滅させるために、シチリアの殺し屋父子にマイケルの暗殺を依頼します。父子は神父に化けて、パレルモをめざします。
  その途次、殺し屋たちは車中のドン・トマッシーノに見咎められ、正体を見破られてしまいます。
  殺し屋父子はトマッシーノを無残に撃ち殺し、逃走します。

  さて、マイケルはヴァティカンのランベルト枢機卿を表敬訪問し、キルディ大司教派の画策と自らの苦境を訴えます。
  ランベルトは、教皇庁の幹部のひとりとしてとして、ヴァティカン銀行の内部監察と人事刷新に向けた努力を約束します。
  こうして、かねてからの、教皇庁内部での保守派・右派とリベラル・改革派との権力闘争の新たな局面が始まりそうな兆しです。


  相談ののち、枢機卿は今回の事件だけでなく、良心の呵責に苦悩する風貌のマイケルに懺悔を慫慂します。
  マイケルは、これまでの血なまぐさい人生、とりわけ兄殺しの罪業を打ち明け、神の許しを請います。
  これによって、マイケルは背負った業苦の重荷の半ばを下ろすことができました。ところが、自分の罪業と非を認めた今、逆にもはや冷厳な戦略家、組織者としての役割に耐えられなくなっている自分を発見することになりました。

  そして、ヴィンセントや側近から、アルトベロがマイケルの暗殺を指令し、すでにドン・トマッシーノを殺害したことを知らされます。
  しかし、彼にはもはや暴力や殺人を命令する気力が残っていませんでした。
  マイケルはヴィンセントと相談し、彼にファミリーのドンの地位を譲ることを決定します。コルレオーネの「闇の部分」が力強く復活しようとしていました。
  マイケルの側近たちは、新たなドン、ヴィンセントに忠誠と恭順を誓うのでした。

  新たなゴッドファーザー、ヴィンセント・コルレオーネは巻き返しと報復のために、陰謀の中心にいる黒幕たち、ルケージ、キルディ、カインジックの暗殺を命じました。
  そして、この黒幕連のマフィアにおける一角、ドン・アルトベロを葬り去る役目は、マイケルの妹、コニー(コンスタンツァ)が自ら引き受けました。

  ついに権力闘争は、ローマとシチリアでも暴力的衝突、血で血を洗う暗殺合戦、殺戮戦に突入してしまいました。その舞台は、シチリアのパレルモ歌劇場、ヴァティカンの教皇庁、そして官憲から逃亡するカインジックの潜むロンドンということになります。

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