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考えるテーマ: この映画のストーリーとプロット(物語の筋立てと仕かけ)をつかみ、カルヴィ事件と引き比べて考えてみる。
マイケル・コルレオーネは教皇庁への巨額の寄付によって叙勲され、ヴァティカン銀行との提携やヨーロッパの金融業界への進出のチャンスを得た。ヴァティカン銀行の総裁、キルディ大司教の仲介によるものだった。
しかし、それはコルレオーネ・ファミリーを陥れるために大西洋の両岸にまたがる巨大な陰謀の発端だった。
カルヴィ事件を、国際金融をめぐって、イタリアを主要舞台として展開するマフィア・ファミリーどうしの抗争として脚色した、ゴッドファーザー・シリーズの完結編。
教皇庁から叙勲されたマイケルは、キルディからイタリアの有力銀行グループ、イモビリアーレ(不動産という意味)への投資と引き換えにヴァティカン銀行率いる企業グループへの参入を持ちかけられた。
しかし、まもなくイモビリアーレ・コンツェルンはバブル経営の破綻に陥った。コルレオーネ・グループは巨額の損失を被った。被害を最小限に食い止めるために、マイケルはブレインとともにイタリアに渡った。
おりしも、甥のヴィンセントがマイケルのもとに戻ってきた。ジョーイ・ザザがマイケル殺害の陰謀に加担していることを嗅ぎつけたからだった。
その陰謀は、ニューヨークのファミリーのボス、アルトベロと教皇庁の保守派、イタリア政界の右翼、さらにシチリアのマフィアが結託し、コルレオーネ包囲網を組織するという大がかりなものだった。
一方、マイケルは別れたケイトとその子供たちと再会して家族の絆を修復しようとしていた。
そのために、コルレオーネ財団のトップに娘を据え、声楽家をめざす息子のためにシチリアの劇場でのオペラ・デビューを実現した。
イタリアで失地挽回の奮闘のなかで、マイケルはヴァティカンの改革派の支援を受け、アルトベロやキルディらの底深い陰謀に戦いを挑むことになった。しかし、マイケル自身、苦悩のために持病が悪化し、もはやこれまでのファミリーの残虐な血みどろの闘争を続けることに耐え切れなくなっていた。
そのため、ファミリーのボスの地位をヴィンセントに譲り、挽回・報復戦の指揮をゆだねた。
イタリア政界やヴァティカン政庁の中枢部と結んだアルトベロやキルディらの謀略は周到で執拗だった。
彼らは、反撃に転じた改革派の新教皇を毒殺し、マイケル暗殺のための刺客を送り込んできた。
ヴィンセントは対抗策を練り、コルレオーネ・ファミリーの復讐劇が始まる。
コルレオーネの反撃は成功した。
ルケージもキルディもアルトベロもカインジックも殺された。
しかし、パレルモの劇場で、マイケルを狙った暗殺者の銃弾がそれて娘の命を奪ってしまった。
これまでに冷酷な戦略家として、敵対勢力ばかりか実の兄の殺害すら遂行してきたマイケルは、心を病んで引退し、苦悩のうちに死を迎える。
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