ヴァティカンでは教皇が死去し、コンクラーヴェでランベルト枢機卿が新しい教皇に選出されました。
新教皇の周囲には改革派の勢力が結集し、ヴァティカン銀行の内部査察と刷新、関係団体の管理手法の見直しが始められようとする気配です。
他方で、キルディ大司教派はいよいよ追いつめられ、大胆な反撃に出ようとします。
教皇庁の内部で陰湿な暗闘が繰り広げられることになりました。
ところが、キルディへの査問や改革が始まろうとしたそのとき、新教皇は毒殺されてしまいます。夜の飲み物に心臓発作を起こす薬が仕込まれていたのです。
コルレオーネ側の刺客たちは、夜行列車で、車で、そして航空機で、ターゲットがいる場所に旅立ちます。
マイケルを狙うシチリアの暗殺者父子も、パレルモ歌劇場にもぐりこみます。
アンソニーのデビュー・オペラの開演の夜、歌劇場では、ヴィンセントの指揮の下、双子のボディガードを含む警護陣が厳重な警戒態勢で臨みます。
賓客として招待されたアルトベロも、歌劇場に現れ、コルレオーネ一家と和やかに挨拶を交わします。
おりしも、ドンの誕生日でした。コニーはお祝いに、チョコレイトクリームたっぷりの手製のお菓子をドンに手渡します。お菓子には、これまた心臓麻痺を誘う薬が仕込まれていました。
ヴィンセントが放った暗殺者の1人は一切武器を身につけず、闇のフィクサー、ルケージの事務所を訪問し、彼の眼鏡のフレイムでのどを突きとどめを刺しました。
カインジックは身を潜めていたロンドンの安ホテルから連れ出され、扼殺され、テムズに架かったシティの橋の橋梁の突端に吊り下げられました。
教皇庁に向かった刺客は、ヴァティカンの大聖堂(サンピエトロのカテドラルか)の大鐘楼で大司教を待ち伏せます。ドームの頂部に登る薄暗い螺旋階段の中腹でキルディは射殺され、階段から下に投げ落とされます。
高い塔の内壁面に沿って設えられた階段、そのスパイラルの真ん中を大司教の死体が静かに落下していきます。このシーンは実に印象的です。
一方、マイケルをねらう父子もまた、護衛陣の一角を切り崩して狙撃場所を確保します。
これらの暗殺シーンは、カットバック(複数の場所でのできごとを追う映像を交互に入れて、緊張感を盛り上げる手法)で進行します。
そして、これまた主人公の死で終わる悲劇を描くオペラ「カバレリア・ルスティカーナ」の舞台もカットバックに挿入されます。
この歌劇は、
若者が戦場から帰還すると、許婚者だった美貌の娘が金持ちの男の妻になっていて、若者は傷心のままに村娘と結婚します。
しかし、若者は愛情断ちがたく、元の許婚者=人妻と逢瀬を繰り返すうち、妻にそれが発覚してしまう。
妻は嫉妬のあまり、若者を許婚者を奪った金持ちと決闘するように仕向け、あげく若者は殺されてしまう、
という物語。
これまた、死に向かって流れる物語です。