コンドル 目次
CIAの迷走
原題と原作について
見どころ
あらすじ
CIAの「長い腕」
ジョウ・ターナーと「文学史協会」
「中東の政変」
白昼の殺戮劇
監視者の目
横着が身を助ける
コンドルの逃走
孤立するターナー
ニューヨーク支局の動き
疑心暗鬼、そして潜伏
黒幕と暗殺者
情報操作
執拗な暗殺者
事件の真相を追え
CIAの隠された闇
冷酷なCIAの方針
ターナーの反撃
陰謀の黒幕を探れ
CIAを揺さぶれ
謀略の主を追いつめろ
国家権力と市民の良識
映画の状況設定の背景
ヘゲモニー構造の転換
石油エネルギーの時代
アラブ諸国の抵抗の経験
産油諸国の反乱
USAヘゲモニー構造の再編

事件の真相を追え

  翌早朝から、ターナーは今回の一連の事件がなぜ発生したのかを検討した。事件の原因や背景、首謀者を理解すれば、そこから逃れる道が見出せるからだ。
  もともと、ターナーは、一見バラバラに見える事柄の背後に潜む関連性、背景にある状況を読み解く能力にすぐれている。それゆえにこそ、CIAの文献解析要員となったのだ。
  文学史協会が襲撃され職員が皆殺しにされたのは、おそらく彼らが知ってはならない(CIAに関連した)機密ないし極秘事項を知ってしまったからだろう。それは何か。それに結びつきそうなことは、ターナーが報告書にまとめた中東の政変に関する問題しかない。
  だが、あれはCIA本部から「該当事項なし」という返事を受けたはずだったが…。そういえば、その返信文をまだ詳しく読んでなかった。ターナーはポケットからあの返信文を取り出してみた。

  すると、そこにはCIAニューヨーク支局からの返信も添付されていた。そこには、「追加的な検討が必要なのでCIA本部に送付する。送付先は、ウィックス」となっていた。「該当事項なし」という返信はウィックスからだったし、ターナーを銃撃したのも彼だった。
  と、そこに郵便配達員が訪れた。キャシーまたは代理人の受領サインが必要だというので、ドアの鍵を開けてなかに入れた。すると、配達員は(消音器つき)マシンガンを構えようとした。その男の強引で殺気だった雰囲気を警戒していたターナーは、お湯が煮立っているポットを投げつけて反撃した。男は銃を取り落とし、すざまじい殴り合い、乱闘になった。
  とうとう郵便配達員はマシンガンを取り戻して、むやみに撃ちまくった。ターナーは何とか拳銃を手にして襲撃者を射殺した。こちらの銃は消音器なしだから、轟音が響き渡った。となれば、警察への通報、襲撃事件の公然化は避けられない。

CIAの隠された闇

  ターナーは郵便配達員の死体を調べた。制服のポケットからホテルの部屋のものらしい鍵を見つけた。調べてみると、ホリデイイン・ホテルの鍵であることがわかった。その817号室、これが暗殺者が滞在する部屋だ。
  ところで、ターナーは事件の真相の輪郭をほぼつかんだ。CIAのどこかの部門が秘密裏に中東のある国の政変を画策した。計画はシミュレイション段階から実行段階の直前まで進んでいた。極秘裏に実行しようとする前に、コンドルが察知したため、秘密工作計画の発覚を恐れて文学史協会のメンバーを全員消すことにした、これが大筋らしい。

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