のだめカンタービレ 目次
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千秋真一、そしてトラウマ
千秋とのだめ
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のだめ、そして謎

  で、その「のだめ」なのですが。
  幼い頃からピアノの素晴らしい才能を発揮していたようです。そして、ピアノを弾くのが大好きなのです。
  しかし、なにゆえに「さらに上を目指す訓練」「厳しい練習」を怖がるのでしょうか? これが、のだめの謎です。
  原因は、どうやら幼児体験というか小学生の頃のピアノ教室でのできごとらしいのですが。

  いや、のだめは「謎の塊」といえます。
  部屋がゴミだらけでも平気で掃除をしない、若い女性なのに入浴とか洗髪をこまめにして身体を清潔にしようとしない、同じ服を何日も続けて来ていて平然としている・・・などなど。
  あらゆることについて、肝心なネジが1本外れているのです。才能や素質はかなりのものなのですが…。

  その1つが、あの着ぐるみマングースの製作(裁縫)。
  思いつきでデザインして、直感的にかなりの正確さで型紙をつくり上げてしまいます「
  その結果できあがったマングース着ぐるみの形状は、実写ドラマでは「遠目には」かなりでき具合がよいのです。
  滑稽なかわいらしさ、人を惹きつける訴求性があります。
  であるからこそ、幕間シーンでそのアニメが踊り回るのでしょう。このドラマのシンボル=マスコットとして。


  ところが。
  縫い合わせの糸は黒で(しかも太い)、ジグザグにスティッチしてあるのです。遠くからでも縫い目が丸見え。  
 …そういうふうに撮影の小道具係が演出したのは、つまり、「のだめ」らしさを醸し出すためだとおもうのですが。要するに、直感の素晴らしさと、ずさんさ、ずぼらさとが同居しているのです。

  まるでマングース版のフランケンシュタイン怪物の出来損ないのようです。まあ、それがまた、「らしくて」ご愛嬌なのですが。

  洋裁の得意な母親を見て育ったために、洋服の形状を正確につかみ型紙にしていく素養はきわめて豊かなのでしょう。
  ところが、縫いあわせや仕上げに対する繊細な配慮が、すっぽり抜け落ちているのです。
  要するに、見て(聞いて)覚えるという才能は抜群なのですが、何ごとにも必要な訓練、習熟が欠けているというわけなのです。その場思いつきで好きなようにつくり、演奏する…という性格なのです。

しかし、完成した姿を直感的に想像できるのならば、その目標に向かって自分を動かすのは楽しいはずで、そういう楽しさを追い求めるうちに自然に技術や技能、理解力が伸びていくのではないでしょうかねえ?

  とはいえ、見ただけでわかったつもりになるという高慢・驕慢なわけではないのです。他人と競争すること、勝つことをまったく意識も望みもしないのです。

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