ターミネーター 3 目次
現代文明滅亡のシナリオ
「軍産複合体が支配・・・
戦争と兵器開発の実態
兵器開発の行く先にあるものは?
ターミネイター・シリーズの物語
軍産複合体がスカイネットを生み出す
悲劇的な結末へ
おススメのサイト
現代文明滅亡を描く物語
デイ・アフター・トモロー
医療サスペンス
コーマ
評  決
ブ ロ グ
知のさまよいびと
信州の旅と街あるき

戦争と兵器開発の実態

  映画の物語に入る前に述べておきたいことがある。
  アフガン戦争とイラク侵攻の初期段階、いや湾岸戦争のときから、アメリカ軍がメディアを利用して世界中に流した戦争シーンに関する報道をめぐって、決定的に重要な部分が、卑劣な虚偽と欺瞞に満ちていたことを。通常はどれほど民主的で開かれた態度を示す報道機関であっても、戦争が始まると、戦争を発動した政権のプロパガンダの構造に巻き込まれざるをえないのだ。
  アメリカ軍はハイテクIT兵器の投入であたかも「きれいな戦争」を遂行したかのような幻想をふりまいた。それは、高度な情報システムによって解析された敵の所在地にピンポイントの攻撃を仕かけて、――一般住民や非戦闘員への被害を極力抑えて――正確に敵側武装人員を殲滅するという戦術に関する報道である。

  この「ピンポイント攻撃(爆撃)」なるものは、現在では、戦闘行為の実態把握としては大半が偽りであることが、アメリカ人自身の現地での取材報道活動と情報のウェブ配信によって暴露されている。
  ピンポイント攻撃のの標的設定の大半は誤っているか、さして効果のないメディア用のカムフラージュでしかなかったという。
  何十億ドルにも達する戦費すなわち税金を投入した政策を正統化するために、意図的になされたメイキング映像報道だったというわけだ。

  敵の殲滅のために、アメリカ軍と「多国籍」連合軍は、一般住民が居住生活する地区一帯への無差別の絨毯爆撃・砲撃を加えることで、敵側戦力の撃滅をはかったというのが実態だった。したがって、アルカイダやあタリバン兵よりも一般住民の方がはるかに多数死傷してしまったというのが、実際の戦場の現実だった。
  この事実の方は、いまだにほとんど――あるいはごくわずかしか――報道されない。とくに英語圏ではない日本では皆無に近い。戦争の実態は、虚偽の情報の氾濫のために、多くが闇のなかである。

  ピンポイント攻撃についての華々しい報道(情報誘導)は、ハイテク最先端兵器の効果がいかにすばらしいかを宣伝するコマーシャル・メッセイジにすぎなかった。US政府とペンタゴンが巨費を投じて開発してきた最先端兵器体系を世界中に売り込み、こうした軍需喚起政策の正統性をアピールするための、まさにプロパガンダだった。
  宇宙衛星とか無人偵察機による索敵活動、インターネットでペンタゴン本部と前線の兵士や戦車・戦闘車両とを直結する情報交換・判断システムの成果なるものは、じつにいかがわしいものだったのだ。
  前線の歩兵あるいは戦車兵のヘルメットやヘッドセットには軍事衛星およびペンタゴン作戦室と直通のインターネット通信システムが組み込まれているのだという。作戦室は前線の兵士の要請に応じて、標的の位置や武装、戦地・市街などの情報が送信された。こうして、前線の兵士への万全の支援が実行されたという。
  だが、市街地の攻撃目標地点が一般住民の居住地であるとか、発射された戦車砲弾やミサイルの弾頭に――貫通力や爆発衝撃を飛躍的に高めるため――劣化ウランが用いられていて、それが危険な発癌(催奇性)物質だという、肝心な情報は送られなかった。前線の兵員は破壊と殺戮のためのロボットでしかなかったのだ。

前のページへ || 次のページへ |

総合サイトマップ

ジャンル
映像表現の方法
異端の挑戦
現代アメリカ社会
現代ヨーロッパ社会
ヨーロッパの歴史
アメリカの歴史
戦争史・軍事史
アジア/アフリカ
現代日本社会
日本の歴史と社会
ラテンアメリカ
地球環境と人類文明
芸術と社会
生物史・生命
人生についての省察
世界経済
SF・近未来世界