1900年 目次
映画の原題について
見どころとテーマ
あらすじ
20世紀の「誕生」
1945年秋
アルフレードの家族
富裕な地主家門の典型
ナイーヴな「坊ちゃん」
イタリアの近代史
農民の生活
ペストの襲来
都市国家の分立割拠
資本主義的農業の構造転換
農民支配の形態
時代の変わり目
イタリア社会の分裂とファシズム
地主層の資本家的競争
地主と農民との階級闘争
労働者階級の内部の格差と対立
再会、そしてファシズムの時代へ
敵対と憎悪の増幅
ファシストの跳梁
農村のファシズム
逃避行の終焉
ムソリーニの政策について
オルモの逃亡
ファシストの狂気
心を病むアーダ
殺人鬼
ファシズムからの解放
イタリアの降伏
解放闘争と王政の廃止
ファシスト狩り
レジームの組み換え
ケンカ友達の再会
キャスティング

オルモの逃亡

  アルフレードがアーダと恋に落ちた頃、オルモも恋人を見つけました。
  彼女は教師ですが、どうやら都市部の労働組合か共産党関係の団体から、農村での組織化や教育活動のために派遣されてきたオルガナイザーのようです。
  やがて2人は結婚し、娘をもうけます。が、オルモの妻は産後の肥立ちが悪く、衰弱死してしまいます。

  しかし、ベルリングィエリ農場では、農民への抑圧や労働条件の切りつめはひどくなる一方です。ついに、オルモは常傭関係から追い出され、臨時の仕事にありついて生活の糧を得るしかなくなりました。

  そんな頃、アルフレードは父の急死の報を受けて地主館に戻り、農場の地主経営者としての地位を引き継ぎました。そしてアーダと結婚します。
  しかし、この館でいっしょに育ち、将来アルフレードとの結婚を願望していた従妹は、強い嫉妬を抱き、怒りのあまりアッティラの情婦になってしまいます。

■ファシストの狂気■

  農場に戻り経営者となったアルフレードにオルモは、アッティラの解雇と追放を強く要求します。が、優柔不断なアルフレードは決断できません。
  とはいえ、アッティラに乱暴な振る舞いを止めるよう申し渡します。
  アッティラはリベラルなアルフレードの態度を嫌いますが、地主としての権威をもつ彼に表立って逆らう勇気がありません。
  その分、鬱憤の吐け口を求めて、陰に回ってさらに狂気じみた行動、残虐な殺人と破壊を繰り広げます。


  とくにオルモに対しては、執拗な攻撃を仕かけます。
  アッティラ自身が惨殺した少年を殺した容疑をでっちあげ、オルモの犯罪と決めつけてリンチにかけようとします。
  そのとき、アルフレードは勇気をもってリンチを阻止することができませんでした。
  オルモを救ったのは浮浪者で、精神異常者の振りをして「自分が殺した」と名乗り出て、警察に連行されてしまいました。

■心を病むアーダ■

  自分たちの結婚式の当日に、こんな残虐な光景を目にしたアーダは衝撃を受け、しだいに酒に溺れ、自分の部屋に引きこもるようになります。
  やがて、酒を求めて近くの町の酒場に行くようになります。

  ある日、夜更けても帰宅しないアーダを探すアルフレードが酒場を探し当ててやって来ます。心配のあまり、アルフレードはアーダを責めてしまいます。
  ケンカのあと2人は和解し、車で家路をたどります。

  しかし、農場近くの別の地主の館では、未亡人が虐殺されるという事件が起きていました。地主の未亡人を殺したのもアッティラでした。
  その現場を目撃したアーダは、ファシストが支配するこの村の異様さに耐えられなくなって、逃げるように村を出て行ってしまいます。
  アルフレードは、最愛の妻を失ってしまいました。

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