《のだめカンタービレ》
     が描くもの 目次
鼎談者の面々
全体から何を感じたか
千秋とのだめの人物像
音楽における「自由と必然性」
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■若者たちの挑戦■

C: 私は、峰君たちが追い求めようとするR☆Sオケの理想にすごく共感します。すばらしいと思う。
  いわば「経済市場」として成り立っているクラシック音楽の世界というのは、すごく狭いのではないですか。高尚になりすぎて、そして楽しみ理解するためには、金や時間、手間をかけた勉強や教養が必要になっているから、そして演奏会のティケット代も高い。だから、クラシック音楽業界の市場の顧客の数は限られている。
  となれば、オケとしての営業や経営が成り立つ余地はすごく狭い。音楽の専門教育を受けた若者たちのなかで、プロのオケメンバーやソリストとしてデビューし飯を食っていける者の数は、ほんの一握りかもしれない。
  ドラマのなかで音大の理事長が「卒業してからも音楽を続けられるものの数は少ない。才能や力を持て余している若者たちが多くいる」というセリフを発しますね。
  そんななかで、才能と意欲ある若者たちが、セミプロのオケに参加して高いパフォーマンスを追い求め、達成していくことは、非常に素晴らしい。


B: そうですね。  たしかに、そんなことはマンガやテレヴィドラマや映画のなかだけの夢かもしれない。だけど、もしもどこかでそんな夢や目標を追い続けるとしたら、大変素晴らしいことだね。

A: すごく社会的な意味を帯びたメッセイジだと思う。
  そういう挑戦が成り立つとすれば、オケの若者たちだけではなく、彼らの演奏を積極的に聞こうとする民衆、聴衆の側の「心の大きさ」が欠かせないだろうね。いってみれば、一般民衆が「小さなパトロン」になって、限られた小遣いのなかからクラシック・オケの若者ー挑戦者たちを育てるるための「小さな投資」を続ける度量が必要だね。

C: 日本で可能でしょうか。条件がありますかね。
 ヨーロッパ編では、クラシックの本場、ヨーロッパでもオーケストラの経営(規模とレヴェルの維持)はかなり難しくなっていることを背景として、千秋たちの挑戦を描いています。ヨーロッパでそうなら、日本ではさらに厳しいかも。

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