策謀のシナリオ 目次
連続絵画強奪事件の謎
見どころ
バルセロナの絵画強奪
エル・グレーコ
サンドラ・ウォーカー
強奪犯の「鉄の掟」
ロシアン・マフィアのボス
続発する絵画強奪
ブルースの追跡
サンドラの窮地
ブルースの捜査
闇の首謀者との対決
絵画盗難事件の背後で
独占欲の陥穽

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ブルースの追跡

  ところで、サンドラが自動車事故を起こして病院に運び込まれたため、心配したブルースが愛嬢アリスンを連れて空路大西洋を越え、バルセロナにやって来た。ブルースとしては、一介の絵画エイジェントにうぎないサンドラが凶暴な絵画強奪犯の捜査にかかわり合うのは無茶だと思っていた。そこで、サンドラに調査から手を引いて帰国するように促したが、突っぱねられた。
  それどころか、ヴィクターから見限られそうでキャリアの窮地にあるサンドラはむしろ意地になったように、バルセロナ警察の「囮捜査」に協力して、容疑者のマクシーモフに接近することになった。
  マクシーモフの招待に応じてクルーザーに乗り込み、絵画強奪への関与の証拠や情報を探り出すためだ。もちろん、ブルースは、ロシアン・マフィアのなかでも最も凶暴な男に妻を近づけることに猛反対したが、無駄だった。

  マクシーモフが所有する豪華なクルーザーのなかで、マクシーモフとサンドラは腹の探り合いをした。マクシーモフとしてもサンドラがライヴァルであるヴィクターのエイジェントだと知っているから、サンドラの反応からヴィクターの動きを探ろうとしたのだろう。
  マクシーモフがキャビンから出て行った隙に、サンドラは室内を調べ回ったが、何の証拠も見つからなかった。
  ところが、キャビンに戻って来たマクシーモフは、サンドラをヴィクター・ボイドのスパイだと決めつけ、ライヴァルが次にどんな絵を手に入れようとしているか探り出すために訪れたのだろうと言い立てて、彼女を追い出した。

  ともあれ、バルセロナで再開したサンドラとブルースはアリスンを連れて観光名所――サグラダ・ファミリア(聖家族教会聖堂)など―――を見物散策した。ところが、そのときサンドラが夫と娘から離れたタイミングを狙って、強奪犯一味の2人が彼女に近づいて脅迫した。それをブルースが見咎めて追い払った。
  襲撃者はヘクターとフェルナンドで、ブルースは逃げ出した2人を捕まえようと追いかけた。2人はバイクで逃走した。そのあとをブルースが、これまた公園の駐車場から失敬したバイクで追いかける。モウターチェイスが繰り広げられ、ブルースはヘクターを追い詰めバイクから叩き落として、抑えつけた。そして、ヴァイザー・ヘルメットをはぎ取って顔を見た。
  ヘクターはスキンヘッドの若者だった。
  倒れたヘクターをとらえようとしたブルースにフェルナンドが襲いかかって、2人でブルースを殴り倒して逃亡した。
  それにしても、ブルースは容疑者の1人の顔を知ることができた。

サンドラの窮地

  警察の捜査人から第一容疑者と目されたマクシーモフだったが、それからまもなく、あの絵画強奪犯一味に襲撃されて、クルーザーもろとも爆薬で吹き飛ばされてしまった。焼け残った船の残骸からは、すっかり焼け焦げたエル・グレ-ーコの作品の燃え滓と見られる焦げたクンバス地の断片が発見された。
  というわけで、捜査陣内部ではエル・グレーコの絵画は残念ながら焼失してしまい、そして、一連の絵画強盗の首謀者はマクシーモフだったという見方が強まった。

  ところがそれからまもなく、ニューヨークのサンドラの銀行口座にヨーロッパから出所不明の大金、20万ドルが送金されている事実が判明した。入金日は、美術館からエル・グレーコが奪われる事件の直前だった。
  警察は、大金の出所はマクシーモフで、サンドラがヴィクターの絵画や美術館、さらにはオークション会場の警備に関する情報をマクシーモフに提供した報酬ではないかという疑いを抱いた。サンドラには絵画強盗の共犯者の容疑がかけられてしまった。
  ブルースは、これはサンドラを共犯者に仕立てるための罠だと言い張った。だが、警察はサンドラへの容疑を解かなかった。あまりにバカらしい警察の見解に腹を立てたブルースは、単独で捜査を進めることにした。

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