サンドラとブルースの2人が奪われた絵画を取り戻して「やれやれ」と思っているところで、サンドラの携帯電話にダニエルから電話が入った。ダニエルはウォーカー夫妻に伝えた。
「君らの娘のアリスンを預かっている。娘を無事に取り戻したかったら、3枚の絵を持って、海岸の遊園地に来い。だが、ブルースは連れてくるな」
人質のアリスンとエル・グレコの絵を交換しようというのだ。
サンドラは仕方なく、巻いた絵をバッグに入れ、ワゴン車を運転して指定された場所に向かった。
ブルースはサンドラと別行動で遊園地に向かった。
遊園地に着いたサンドラは、車を降りて取引場所となるはずの展望テラスにやって来た。ところが、別の小高いテラスでフェルナンドが見張っていた。敏腕刑事としてこの成り行きを読んでいたブルースは、不意を突いてフェルナンドに襲いかかって倒した。
サンドラがテラスで待っていると、ヘリコプターが近づき着地した。なかからダニエルがアリスンをともなって降りてきた。こうして人質と絵画との交換になったが、サンドラとダニエルはもみ合いになった。ダニエルは拳銃を抜き出してサンドラを威嚇して、絵を奪った。サンドラはアリスンを抱きかかえてかばった。
そこにヘリのなかからヴィクター・ボイドが現れた。
ヴィクターも拳銃を手にしていた。絵画強奪の本当の首謀者が姿を現した。ということは、ヴィクターはサンドラを殺すつもりだったのだ。
サンドラが殺意を露わにしたヴィクターを非難すると、ダニエルがヴィクターを押しとどめようとした。
「殺すことはないだろう。絵は手に入れたんだ」
だが、ヴィクターは絵画強奪の容疑をかぶるつもりはなかった。サンドラとアリスンを殺して、目撃者=証人を完全に抹殺するつもりだった。そうすれば、ひとまず自分のエル・グレコを盗ませたことで容疑を他人に向けてあるので、絵画強奪事件の真相を知る者はいなくなって、別の2作品をも手に入れて悠々と秘蔵し続けることができるからだ。
それでもヴィクターがサンドラに銃を向けると、ダニエルは自分の銃をヴィクターに向けて「やめろ」と命じた。
しょせんは絵を手に入れるための道具にすぎないダニエルを、ヴィクターは冷酷に銃撃した。それも最初から計画のうちだったのかもしれない。ダニエルは倒れたが、その隙をついてサンドラは絵を入れたバッグを取り戻し、アリスンを逃がすことができた。だが、銃を向けるヴィクターに対しては無防備だった。
そこにブルースが突入したが、銃を持つヴィクターに撃たれて倒れ込んだ。そのとき、撃たれて重体のダニエルが最後の力を振り絞って自分の銃をブルースの手元に押しやった。その直後にダニエルは息を引き取った。
銃を手に取ったブルースは、ヴィクターの身体に銃弾を続けざまに打ち込んで倒した。
というわけで、どうにか事件解決という結末に漕ぎつけて、物語は終わる。