バンクジョブ 目次
貸金庫に眠っていたもの
見どころ
あらすじ
王女マーガレットの悲劇
軍情報部の策謀
八方ふさがりのテリー
用意されていた仕かけ
貸金庫に眠るもの
  売春王と腐敗警官
  S&M売春窟と高級官僚
穴 掘 り
地下金庫侵入と強奪
絡み合う策謀と罠
MI5の「長い腕」
MI5の「長い腕」
腐敗警官たちの危機感
テリーと情報部の駆け引き
襲いかかる犯罪ファミリー
テリーの計略
パディントン駅、午前11時
MI5について
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ボーン・アイデンティティ
コンドル

テリーの計略

  ヴォーゲルのファミリーは、テリーを追い詰めている間にも、ガンバスとガイの居所を突き止めて襲撃し、惨殺してしまった。
  この2人はいち早くテリーと別れて海外逃亡を企てていたから、テリーたちにはすぐにこの事件が伝わることもなかった。とはいえ、いずれメディアの報道で知らされることになるだろう。
  3つの巨大な権力――MI5、犯罪ファミリー、腐敗警官集団――から追われることになったテリーは、生き残りを賭けたトラップを考え出した。

  まずはMIに対する作戦。
  テリーはティムに「写真を渡したら、その後、テリー一味を捕縛しないことを、王室と政府を代表して約束する高位の人物を仲介に立てること」を申し入れた。そして、翌日の午前11時にパディントン駅で、その人物に写真を渡す約束をした。

  次にファミリーと腐敗警官組織に対する作戦。
  この連中には、交渉や約束は通じないだろう。エディと引き換えに帳簿の引き渡しの取引自体は無事に済んでも、いずれテリーたちは「生きていては困る犯罪の証人」となるから、抹殺されるだろう。
  とすれば、ひとまずはエディを奪還するために帳簿を引き渡す。だが、その直後にヴォーゲルや腐敗警官の頭目を「まともな警官」に逮捕させなければならない。そうすれば、買収された警官たちはただちに摘発され捕縛されることになる。そうなれば、テリーたちの身の安全は確保できるはずだ。
  テリーは裏帳簿のなかから、1枚のシートを引き裂いて抜き出した。これを、買収されていない捜査官に渡せば、ヤード上層と内部監察がただちに動き出し、腐敗警官の一斉摘発に乗り出すだろう、という読みだった。


  だが、犯罪組織に買収されていない警官は誰なのか。
  土曜日の夜から銀行襲撃の情報を手に入れてテリー一味を追いかけているギヴン警部なら大丈夫だ、とテリーは判断した。今でも執拗に捜査を続けている。ということは、ファミリーの裏帳簿には関係していないからだろう。関係者ならば、公式上は事件を迷宮入りさせてから、ファミリーと結託して、テリー一味を狩り立てようとするだろう。
  そこで、ケヴィンに裏帳簿の1シートを持って、ギヴン所属の警察署に行かせた。そこで、ギヴンに面会してシートを渡し、ファミリーによる警察組織の買収という事態を察知させて、警察の上層部と内部監察を動かすように仕向けるためだ。

  裏帳簿のシートを見たギヴンはスコットランドヤードの上層部に連絡して、彼の指揮で内部監察局を動かすことになった。
  ケヴィンは「翌日の午前11時にパディントン駅で取引が行われる」と告げていた。
  ギヴンは、そこにやって来るルウとパイクたちを――証拠の裏帳簿もろとも――確保・捕縛する手はずを準備した。
  テリーはヴォーゲルに電話した。翌日の午前11時に地下鉄パディントン駅のプラットフォームで、エディと交換に帳簿を引き渡すと伝えた。

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