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邦題: 法王の銀行家(日本で発売された時の題名)
原題: I Banchieri di Dio (神の銀行家たち:イタリア語)
考えるテーマ: 権力を追い求めるものは、権力構造によって操られる傀儡(くぐつ)になるリスクを覚悟せよ。
権力闘争で生き残り優位を得ようとする者たちは、いつのまにか本来の目的を見失い権力闘争を自己目的化する。そのために、さまざまなものに依存するようになる。
やがて「依存したもの」によって振り回され疲弊し、斃れていく。
ここでは、イタリアの金融スキャンダルと政治疑獄事件、ヴァティカンの権力闘争の実態を追いかける。
映画《神の銀行家たち》はイタリアで制作され、この、当時世界最大の金融事件、政治的陰謀スキャンダルの実態を取り上げたものです。
事件関係者の証言や状況証拠および物的証拠を追いかけながら、推察される事件の構図を描いています。
事件を追いかける視点はいくつもあるのですが、物語としては、「カルヴィの家族の眼から見た事件の真相」に焦点を当ててストーリーを展開する作品です。
この事件は、いまだに全貌が闇のなかです。
主要な容疑者、重要参考人、関係者のうち鍵を握る人びと何人かは、なぞの死をとげ、あるいは海外に逃亡して闇の奥に消えてしまいまいました。
今後も真相は解明されることはないだろうといわれています。
さて、カルヴィは、イタリアを中心として、アンブロジアーノ銀行と国内・国外の子会社・関連会社の複雑怪奇なグループを世界的規模でつくりあげました。
ヨーロッパおよびラテンアメリカのオフショア市場を利用した、これらの企業のあいだの複雑な金融取引き(株や現金、信用のやり取り)をつうじて、違法な資金調達、違法な資金および資産の運用・移動経路を組織したのです。
こうして流れた資金、溜め込まれた資金が最終的にどこに消えたのか、だれに、どんな組織・団体に流れたのか、そして流れた資金はどのように使われたのか。
これらは、おそらくなぞのまま残るでしょう。
とはいえ、わずかな物的・資料的証拠と数多くの状況証拠、ことにカルヴィを取り巻く状況から、事件の輪郭とおおまかな構図は浮かび上がってきます。