1880年代、西部開拓地で急速に富を蓄えて成り上がってきた大牧場主たちは、商工業への投資によって金融資産を膨らませ、ワイオミング州での寡頭制政治支配を打ち立てていた。
ところが、おりしもその頃、北西部初秋の辺境地帯には、ヨーロッパ各地からアメリカでの開拓をめざす貧しい入植農民層が急増していた。
都市所有権や利権の独占をねらう大牧場主階級は、ワイオミング州畜産者協会(WSGA)を結成し、傭兵として雇ったガンマンたちを使って零細な開拓農民たちを威嚇し、駆逐しようと試みた。それでも傭兵隊は、できるだけ合法的に入植農民を排除しようと意図してはいた。
そんな傭兵のなかにネイトがいた。ネイトは売春宿の女主人エラと知り合いだった。
一方、富裕な金融資産を動かす大牧場主でありながら物好きで保安官をしているジェイムズは、ネイトの古い友人だった。ジェイムズは高学歴のインテリで、この州の統治の民主化を願っていた。そんな彼は富裕牧場主たちの横暴に嫌気がさして零細農民に味方し、郡内では公平な警察権の行使を心がけていた。そのため、WSGAからは疎まれていた。
ジェイムズの奔走にもかかわらず、富裕牧場主層と入植農民との敵対は激化し、牧場主たちは傭兵を動員して入植農民を郡から追い立てようとしていた。農民たちも武装して結集し、WSGAの横暴に対抗しようと身構えていた。
ところが、エラが荒くれガンマンたちに襲われた。これに憤慨したネイトがWSGAと対立して傭兵隊から離脱した。
だが、その直後、傭兵たちはコテイジを襲撃してネイトを虐殺した。
農民たちは猛り狂って傭兵隊への反撃を仕かけた。草原の真ん中で苛烈な殺し合いが始まった。
その真夜中、「戦場」に駆けつけたジェイムズは、農民たちに傭兵隊を包囲攻撃する作戦を授けた。夜明けとともに、凄絶な殺戮戦が始まった。
長時間の銃撃戦ののち、連邦軍騎兵隊が事態の鎮圧のためにやって来た。