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映像物語を社会史的に読み解く

  作品で描かれる物語そのもの、登場人物、背景となっている社会状況、時代、事件など、そしてまた、これらを描き出すための道具立て、たとえば町並みや田園の風景、建築物、室内装飾、交通手段、人びとの服装、持ち物などについて、社会史の視角から読みとろうという試みです。
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映像表現の分析と方法

  

映像の現象学

  映画の物語や文脈、事件はなかなかに複雑な動的な構築物で、かなりわかりにくいものです。分析や考察が必要なのです。ここでは、映像の物語や文脈、事件や人びとの言動などの意味合いついて考察し、解読しようと試みます。 ⇒記事を読む

映像物語と音楽

  映画作品の物語や場面、登場人物の個性、要するに物語の劇性を盛り上げ印象づけるのが、音楽です。
  テーマ音楽はもとより、シーンや人物と連動させた挿入音楽・背景音楽は、聴覚情報を私たちの頭脳に刻印することで、場面や物語のイメイジを強め、その記憶や印象を深くします。

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宮崎駿が描く物語

  宮崎駿が描く世界と作画の方法論、人物設定や物語の進め方の特徴などについて私見を述べます。座談会形式です。
  射程に入る作品は、「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」「天空の城 ラピュタ」「魔女の宅急便」「千と千尋の神隠し」。   ⇒記事を読む

《ゴッドファーザーV》へのプロローグ

  《ゴッドファーザー V》について考察するために、1970年後半から1980年代にヨーロッパで起きた、ある国際金融スキャンダルについて語ってみましょう。
  イタリアとヴァティカンが震源地でしたが、ヨーロッパ全域に影響し、ロンドン・シティでの不可解な「銀行頭取の死」で、底なしの国際的謀略の構図が垣間見えました。だが、真相は闇の奥に隠れたままです。
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異端の挑戦

炎のランナー

  1924年オリンピック・パリ大に出場するブリテンティームの2人の陸上選手、ハロルドとエリクは、陸上界の古めかしい体質と権威主義に反発し、自分自身の名誉と精神的自由をめざして戦いを挑み、みごと勝利しました。 彼らが求めたものはなんだったのでしょうか、そして、彼らが果敢に挑戦した権威はどんなものだったのでしょうか。 ⇒記事を読む

アメリカの歴史

ゴッドファーザー シリーズ

  《ゴッドファーザー》シリーズは、すぐれた社会史研究のための情報源です。
  アメリカのイタリア系移民社会から生まれたマフィア組織は、いくつかの大都市の裏社会を牛耳り、やがて北米全域におよぶネットワークを築き上げました。映画のシーンから、この犯罪組織の発生と膨張のメカニズムを読み解き、アメリカ社会の独特の構造を浮かび上がらせます。 ⇒記事を読む

《ゴッドファーザー》とアメリカの歴史

ゴッドファーザーの主要舞台となるアメリカ合州国。複雑かつ巨大な国家で、その姿は容易に理解できません。ここでは、映画をとっかかりの素材にして、マフィア組織の出現と成長に関連するかぎりで、文化、政治・法制度や歴史の面から、その構造を探ってみます。 ⇒記事を読む

ヨーロッパの歴史

《炎のランナー》の社会史

 映画《炎のランナー》が映画いた物語の社会史的背景について考察します。「本論」では書ききれなかった事柄について、補足する内容です。当時の支配装置ないしは権力構造としてスポーツとかアマテュアリズムを読み解きます。 ⇒記事を読む

地球環境と人類文明

ナウシカの世界

  アニメ映画「風の谷のナウシカ」の舞台は、環境と生態系がほぼ全面的に破壊され、文明が崩壊してからはるか後の地球。汚染と破壊をなんとか免れてきた「風の谷」は、巨大な戦乱の渦に巻き込まれ、破滅の危機に直面しました。
   アニメ映画の物語は、原作では、長く苦難に満ちたナウシカの戦いの「ほんの序曲」にしかすぎない部分を組み換えて制作されたもの。ここでは、原作と映画を比較しながら、ナウシカたちが生きる世界のことを考えてみます。
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現代日本社会

大誘拐

  3人の若者が4万ヘクタールの山林をもつ紀州の大富豪のおばあちゃんを誘拐した。
  家族と警察に届けられた手紙に書かれた身代金の要求額は100億円。
  誘拐事件捜査の陣頭に立ったのは、和歌山県警の本部長、井狩大五郎。おばあちゃんに海よりも深い恩義を感じている、智謀に長けた熱血漢だ。
  知恵と策謀を戦わせる、この誘拐事件の奇想天外なゆくえを描いた岡本喜八監督の傑作。⇒記事を読む

現代ヨーロッパ社会

ジャッカルの日

  1960年頃、植民地アルジェリアの独立をめぐってフランス世論は深刻な分裂に陥りました。ドゴール大統領は独立を承認し、軍の撤収を決定。
  これを「国民」に対する裏切りだとして、大統領の暗殺を企てる軍人グループがありました。彼ら自身の手による暗殺計画はことごとく失敗しました。
  63年、ついに超一流のプロを雇って、ドゴールを狙撃することに。そして、この暗殺者と捜査当局との息づまる心理戦が始まりました。
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イタリア発 国際金融スキャンダル

  1982年6月、イタリア人銀行家、ロベルト・カルヴィがロンドンの橋で縊死してるのが発見されました。彼は、アンブロジアーノ銀行の頭取で、イタリア当局から国際金融犯罪の容疑者として追われていました。
  カルヴィは、教皇庁の金融機関IORの総裁マルチンクスと結託して、違法な国際的金融取引きを組織化。さらに、イタリア政財界での陰謀やテロを企てる犯罪組織や「地下組織」P2と結びついていました。
  カルヴィの死体発見とともに、イタリアとヨーロッパを揺るがす大スキャンダルになったこの事件の背景と構図を探ります。現実の犯罪の物語。
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ゴッドファーザー V

  マイケルは教皇庁への巨額の寄付によって叙勲され、ヴァティカン銀行との提携やヨーロッパの金融市場への進出のチャンスを得ました。
  ヴァティカン銀行の総裁、キルディ大司教の仲介によるものでした。しかし、それはコルレオーネ・ファミリーを陥れるために大西洋の両岸にまたがる巨大な陰謀の発端でした。
  国際金融をめぐって、イタリアを主要舞台として展開するマフィア・ファミリーどうしの抗争としてカルヴィ事件を脚色した、ゴッドファーザー・シリーズの完結編。
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サンジャックへの道

  登場人物たちの人生や人生観を交錯させて描き出す映像手法が得意なのは、何といってもフランス映画。
  《サンジャックへの道》は、現代フランスが抱えるいくつもの社会問題や個人の悩みを映し出しながら、中世以来の巡礼の道をたどる物語です。
  仲たがいした兄妹弟の巡礼の旅は、離婚や移民系ムスリム青年の悩みや教育問題を巻き込みながら進んでいきます。
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芸術と社会

のだめカンタービレ

 DVDになったテレヴィドラマ「のだめカンタービレ」を観て、なんと深みにはまってしまいました。クラシック音楽の世界の物語を、笑いながら観ることができるができるなんて!
 クラシック音楽プロパーの人たちからはともかく、私のような門外漢からすれば、喜劇風にこれだけの密度の濃いやり方でクラシック音楽の世界(をめざす若者たち)のことが描かれているのは、すばらしい。
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のだめカンタービレ 物語と人物

 ドラマの物語や人物、背景設定の奥行きや意味を分析してみます。人物の性格や心理の設定とか、音楽とのかかわり方などについて考えをめぐらせてみましょう。
 というのは、この物語を見て本当にいろいろと考えさせられたからです。
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オーケストラ!

 邦題が「オーケストラ」となっているけれども、フランス語の題名は「ル・コンセール」(協奏曲、演奏会)。物語としては、ありそうもないファンタジーです。
だが、泣けます。理不尽な政治的・社会的環境のもとで打ちひしがれたオーケストラ指揮者と楽団員たちが、したたかに生き抜いて「自分らしさ」と尊厳を回復する物語でもあるのです。
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