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映画の原題は、《The Day of the Jackal(1973年)》。「ジャッカルの日」という意味そのままです。
原作は、Frederick Forsyth, 《The Day of the Jackal 》で1971年刊行。
フランス大統領暗殺計画は現実に存在したといいます。しかし、真相は公安にかかわる国家機密として秘匿されたままです。
ジャーナリスト出身の作家、フレデリック・フォーサイスが、ドキュメンタリー・フィクションという形で、現実の政治の世界の事件をもとにして、「ありえたであろう事件の真相」を描いた小説です。
ジャッカルというのは、フランス大統領暗殺を請け負った殺し屋の暗号名です。
ところで、各国の諜報機関では、その頃からジャッカル(この事件とは別)という暗号名の殺し屋がいて、世界を舞台に暗殺をいくつも請け負っていたといいます。
見どころ:
片やドゥゴールをねらうプロのスナイパー、片や暗殺阻止と殺し屋逮捕をめざすフランスとブリテンの捜査陣。
互いに相手の心理や手の内を読みながら目標に迫る。プロどうしの息づまる対決。
心理戦のチェスボード上で、どちらがチェックメイト・キングにいたるのでしょうか。
現在にいたるまで、暗殺事件または狙撃=スナイパーの物語を描いた映画のなかで最高傑作です。
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1960年頃、植民地アルジェリアの独立をめぐってフランス世論は深刻な分裂に陥った。ドゥゴール大統領は独立を承認し、軍の撤収を決定した。
ところが、これを「国民」に対する裏切りだとして、大統領の暗殺を企てる反乱派の軍人グループがあった。
彼ら自身の手による暗殺計画はことごとく失敗した。
1963年反乱派は、ついに超一流プロの殺し屋を雇って、ドゥゴールを狙撃することにした。
そして、この暗殺者と捜査当局との息づまる心理戦が始まった。
フランスとブリテンの当局は、公安・情報組織をあげて殺し屋の行方を追う。
当局のジャッカル包囲網は狭められていくが、いつもあと一歩で取り逃がしてしまう。「公安捜査会議の情報が漏れている」とフランス公安警察のルベル警視は判断した。
反乱派のスパイの手は、政府高官の懐までおよんでいたのだ。
狙撃者は徐々にパリに近づき、姿を潜めている。
狙撃はいつ、どこで? ルベルは判断に迷う。
ジャッカルは狡知に長けた動きで、標的に迫ろうとしている。
パリの街頭の状況を探りながら、相手の動きを読んだルベルは、狙撃は8月25日、記念式典の広場に違いないと直感する。
しかし、どの場所から? 式典の時刻は迫っていた。
疲労困憊のなか、ルベルは地道な捜査と推理でジャッカルを追いつめる。
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