ギャラガーが受け取った印刷物の内容は、極右団体の反ソ連アジテイションだった。ソ連書記長の訪米に反対するデモへの参加を呼びかける内容だった。
ギャラガーが印刷物の配達先となっている広告代理店のオフィスに行ってみると、そこは人相の悪い連中――フーリガン――の巣窟だった。彼らの威圧を受けて、ギャラガーはすぐに退散した。
さて、デリッチから聞き出した警察内部の情報では、ヘンケは右翼団体の街頭デモに参加しているらしいということだった。それで、デモの現場に行ってみると、右翼団体と警察が小競り合いを繰り広げていた。
ギャラガーたちは右翼メンバーの反ソ連デモの行列のなかにヘンケの姿を発見して追いかけた。ところが、ヘンケは警察の車に乗せられて消えてしまった。
そこで、その警察車両が属す分署に行って拘束者たちを調べたが、そこにはヘンケはいなかった。つまり、警察に潜り込んでいる工作員たちの手によって、ヘンケがギャラハーの追跡から逃れたということだ。警察内部にデモた暗殺作戦に協力しているメンバーがいるということだ。
しかも、捜索を続けていると情報部の罠を仕かけられて、突然襲撃された。デリッチが銃撃されて負傷してしまった。さらに、ギャラガーは憲兵隊に捕縛されてしまった。憲兵隊は、軍兵士や関係者の犯罪を捜査するために軍の警察活動を担う組織だが、憲兵たちは軍情報部の命令下で動いていた。
ギャラガーを捕らえた憲兵班は、軍情報部の工作員だらけだったのだ。
彼らは、ギャラガーを郊外近くの廃屋の地下室に閉じ込めて焼き殺そうとした。
だが、ギャラガーはどうにか脱出して、アイリーンに安全なところに避難するように電話連絡した。
ところが、ギャラガーが閉じ込められていた廃屋には、それまで狙撃者ボイェットも潜んでいた。ギャラガーは廃屋内を調べてみた。すると、ボイェットが狙撃地点を物色・選択するために撮影した写真が壁に貼り付けたままになっていた。
それらの写真のなかに狙撃地点があるはずだ。ギャラガーは写真を調べて狙撃場所を割り出し、そこに駈けつけようと、奪った車を飛ばした。