炎のランナー 目次
原題と原作について
見どころ
あらすじ
社会状況の設定について
暴力組織になった警察
ガイ・フォークス
イーヴィとV
オールドベイリーの爆破
当局の宣伝報道
後手に回る独裁政権
番組ジャック
当局の情報操作
Vの隠れ家
熾烈な復讐戦
イーヴィの生い立ち
司教の殺害
死を待つ女性検視官
暴かれた真相 Vの誕生
ノースファイアーの謀略
イーヴィの試練
ゴードンの勇気
イーヴィの苦難
「ガイ・フォークス記念日」
Vの撹乱作戦

暴かれた真相 Vの誕生

デリアことダイアナの日誌には、ラークヒル収容所でのヴィールス兵器開発と政治犯たちへの残酷な人体実験の様相が記されていた。そして、その実験台となった第V号独房の政治犯へのヴィールス投与の結果、血液・リンパ・免疫系でのミュウテイションが起きて怪物Vが生まれた経緯が。
  こうして、ノースファイアーの謀略=病原ヴィールス兵器開発によってVが生み出され、そこからVによる容赦のない復讐戦が始まることになった因果関係が解明された。それはまた、ノースファイアーによる忌まわしい謀略の構図を暴き出していた。
  フィンチは、Vによる一連の事件の背景と動機を理解した。

  彼は、ノースファイアーの本部に赴いて、デリア=ダイアナの日誌(証拠)を手に入れたこと、その記述からVの誕生と連続復讐殺人の動機と目的が判明したことをサトラーに報告した。
  サトラーは、ノースファイアーの幹部による謀略=真相を暴かれたことに驚愕した。彼は青ざめた顔で、フィンチ警視に証拠=日誌の秘匿と記述内容の秘匿を厳命した。「そのことは頭から消し去るように」と。
  フィンチは従順に命令に従うことにしたが、困惑していた。唾棄すべき事実を掘り当ててしまった。

  サトラーの命令の忠実な実行者だったルイス・プロテーロは、ラークヒル収容所で、生物化学者ダイアナ・スタントンを指揮して、大量殺戮の効果において核兵器をはるかにしのぐ破壊力を持つ病原ヴィールス兵器の研究開発を進めていた。ダイアナはついに恐ろしい毒性=致死性を備えたヴィールスをつくり出した。
  プロテーロは、収容所の政治犯で人体実験を命じた。そのとき、ダイアナは研究業績競争での優越を求める出世欲に取りつかれていたので、何のためらいもなく、政治犯たちにヴィールスを摂取投与した。強毒性のヴィールスによって、被験者となった政治犯は全員死亡した。収容所には死体の山ができた。
  ところが、X号独房の被験者だけは、突然変異を起こしてヴィールスへの抗体反応を示し、生き延びた。
  これによって、アンティヴィールス――ワクチン用の抗体――をつくり、軍によるヴィールス兵器統制管理の手段が用意できる、と喜んだ矢先、研究所と収容所は突然の火災に襲われた。事故なのか。それとも、生き延びて復讐の鬼となったVによる反逆なのか。映像では示されない。
  とにかく、収容所を覆い尽くした炎のなかでVは生き延びた。身体じゅうにひどい火傷を負ったにもかかわらず、不死身のようにVは生き延びて、収容所から消えた。

前のページへ | 次のページへ |

総合サイトマップ

ジャンル
映像表現の方法
異端の挑戦
現代アメリカ社会
現代ヨーロッパ社会
ヨーロッパの歴史
アメリカの歴史
戦争史・軍事史
アジア/アフリカ
現代日本社会
日本の歴史と社会
ラテンアメリカ
地球環境と人類文明
芸術と社会
生物史・生命
人生についての省察
世界経済