笹屋のお熊 目次
見どころ
あらすじ
本所弥勒寺門前の名物婆さん
老人たちの活躍がうれしい
お熊と彦十
長谷川平蔵の境涯
お熊、役宅に現れる
身分制社会の外見と行動様式
お熊がもち込んだ話
探索の網
小千住の畳屋
お熊と平蔵
お熊の活躍
一網打尽
庄八と茂平
池波さんと「鬼平」の世界
時代劇を深く楽しみ、読み取るために
近代初期としての江戸時代
「水戸黄門」は存在できない
江戸の社会 貨幣
江戸の社会 刑事捜査
歴史考証の難しさ
実証社会史の見方
江戸期の身分制の実態

江戸・東京街歩きガイド

がんばれ、ばあさん!

原作: 池波正太郎『鬼平犯科帳』シリーズ「お熊と茂平」

見どころ
  鬼平犯科帳オマージュの第2弾。今回は「笹やのお熊」を取り上げます。
  私は、元気な年寄りたちが活躍するドラマが好きです。
  幼い頃、「昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが…」という語り口の童話や昔話を聞くのが好きだったせいかもしれません。
  このドラマは、ときに平蔵も閉口するくらいにしたたかな婆さんが、火付盗賊改方を手助けして活躍する物語です。
  しかも、この婆さんを演じるのは北林谷栄。江戸家猫八との掛け合いは畢竟の見もの!

  さてさて、毒口の達者なお熊婆さん。ときに平蔵はそのしたたかさにたじろぐほどです。が、平蔵は昔の恩人として義理を立てながら、この老婆に生きがいと活躍の場を与えて長生きしてもらおうとするのです。
  これも、池波流の江戸の粋と人情か。

あらすじ

  本所弥勒寺前の茶屋「笹屋」の名物店主は在所の名物婆さん「お熊」。
  そのお熊、弥勒寺の下男だった茂平の死に際に立ち会った。茂平はお熊に遺言を残した。
  貯めていた大金をお熊に渡して、「千住小塚原に住む甥の庄は八に自分の死を知らせてくれ」といういうのだ。
  あまりの大金に驚き訝しさを感じたお熊は、火付盗賊改方の長谷川平蔵に届け出た。
  平蔵も怪しさを感じて、庄八なる男の周辺の捜索を命じた。すると、庄八は盗人で、弥勒寺に手先を入れて押し込み強盗の準備を始めた。平蔵はお熊に活躍の場を与えながら、盗賊補縛の段取りを手配した。

本所弥勒寺門前の名物婆さん

  たくましくて気骨のある老婆を演じさせたら、北林谷栄の右に出るものなし――と私は思います。で、彼女が出演する映画やドラマを観ると、思わずうれしくなって身を乗り出してしまうのです。
  その北林さんが、大好きな「鬼平犯科帳」のお熊役で出演するのだから、もうこたえられなません。もとより、原作の「お熊と茂平」も傑作の1つです。

  本所弥勒寺門前の茶店〈笹屋〉のお熊といえば、在所では知らぬ者とていない名物婆さんだ。
  「上は将軍様から、下は在所のゴロツキまで」およそこの世に怖いものがない、とうそぶくこの老女、年齢は70を超えています。
  骨と皮ばかりに痩せ細っていますが、背筋は真っすぐ。在所の地回りさえ、お熊の毒口には閉口しているくらいです。
  よって在所では、「笹屋の鬼婆あ」「本所の鬼婆あ」で通っています。
  苦労をし尽くして生き延びたこの老婆、「この年になると、もう恐えものは何にもねえ」が信条なのです。

  あるとき、探索で長谷川平蔵が笹やに身を置くことになりました。平蔵と火付盗賊改方役宅との連絡係(つなぎ)になった、平蔵の知り合いのある町人が、笹やに平蔵が滞在すると聞いて驚きます。
  何しろ、鬼婆の住処と恐れる場所に平蔵がいるのですから。この男も、お熊には恐れをなしているのです。で、平蔵に問いかけます。
  「ですが長谷川様、笹屋のお熊といやあ、本所の鬼婆あで通っていますぜ…(構わないんですかい!?)」
  ところが、平蔵の返事がふるっています。
  「鬼の棲みかに俺がいて、何が悪い(平仄が合うじゃあねえか)」
  鬼の平蔵、鬼平が鬼婆のところにいるので平仄が合うというわけだが、そのことにはたと思い当たったその町人は、恐れ入ってしまい、ほうほうの体で姿を消しました。

次のページへ |

総合サイトマップ

ジャンル
映像表現の方法
異端の挑戦
現代アメリカ社会
現代ヨーロッパ社会
ヨーロッパの歴史
アメリカの歴史
戦争史・軍事史
アジア/アフリカ
現代日本社会
日本の歴史と社会
ラテンアメリカ
地球環境と人類文明
芸術と社会
生物史・生命
人生についての省察
世界経済
パソコン・周辺機器専門

演奏会チケットなら
チケットぴあ