スターウォーズ・シリーズ 目次
スターウォーズの宇宙世界観
『スターウォーズ』シリーズ
本考察のねらい
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…
ジェダイとシス
比較天体論
因縁の敵対関係
アナキン・スカイウォーカー
アナキンを取り巻く銀河世界
  通商連合の分離反乱
  シスの謀略
  シディアスの独裁
  母の死、そして殺戮
  ジオノーシスでの決戦
共和政崩壊とジェダイの滅亡
ダースベイダーの誕生
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風の谷のナウシカ

遠い昔、はるか彼方の銀河系で…

  Long ago, in a Galaxy far, far away......
  「遠い昔、遥か、遥か彼方の銀河系で…」という語り出しで、このス宇宙オペラは始まる。まるで、シェエラザードの寝物語「千一夜物語」のように。
  はじめにごくごく大雑把にこの大河歴史物語の展開を総括しておくと、こうなる。

  この太陽系から遠く離れた銀河系での遠い昔のできごと。とはいえ、宇宙的スケイルの時間経過は相対的なもので、地球の歴史時間での今昔の尺度とは、まったくかけ離れているのだが。
  ある巨大な銀河系――直径が20万光年以上もあるアンドロメーダ銀河のような世界――では、たとえば太陽系のような、それぞれの恒星系ごとに惑星単位で1つの文明社会が成立していた。惑星内ではもはや、国家とか国民ごとの対立・分立は基本的に克服されて、1つの惑星が単一の政治体(小文明世界)を形成していた。
  そして科学技術の水準は、宇宙船・宇宙艦による光速航行を可能にするところまで達していて、この銀河系の各恒星系に属する(小文明世界の)知的生物たちは互いに頻繁で広範な交易や通信交通をおこなうようになっていた。銀河系全体が1つの世界システムをなしていた。
  その銀河系にある、これらの無数の小文明は政治的=外交的に相互の緊密に結びついて、巨大な世界文明をつくり上げていた。

  いつしか、多数の小文明世界は、外交政治をつうじて自らの代表を元老院議会――銀河規模での連邦議会――に送り込んで、銀河系全体の平和と秩序についての規則や規約を協定した。この秩序は、各小文明の自立性と対等性を基礎として連邦共和政レジームとなった。
  だが、「自由と民主主義」という建前を前提として、経済成長をめぐる競争が展開されると、富や権力の蓄積競争が展開され、貧富や強弱の格差が生まれ拡大され、利害対立やら敵対やら小競り合いが繰り広げられるようになった。
  つまりは、銀河系規模での階級闘争や資本蓄積競争、権力闘争が繰り広げられるようになった。そうなると、それぞれの小文明はいくつもの利害グループ同盟へと組織化され、かくしていくつかの有力な政治同盟=グループのあいだの敵対や妥協、駆け引きが引き起こされ、そのときどきの力関係によって、また力関係の分布しだいであちらこちらで紛争やら戦役、あるいは利害の妥協や調停やらが発生することにもなった。
  こうして、いつしか、銀河大文明世界は、共和政派のグループ、通商交易連合――露骨な経済的利害で行動する派閥連合――、そして力づくの帝国建設をめざす(シス派)グループという3つの巨大政派に分裂した。これらのあいだの対立闘争と連合などの駆け引き、妥協と裏切りが展開することになった。


  銀河連邦共和政レジームは、こうしたグループ内部や相互間でのエゴイスティックな利害対立が深化して分裂し、結局、シス族のマスター、シディアス暗黒卿が率いる帝国派が支配権を掌握する。帝国派はしだいにヘゲモニーを銀河系全域に拡大していく。帝国は強大な軍事力を持っていた。
  この軍事力の行使を指揮統率するのが、シディアス暗黒卿の高弟=副官、ダースベイダ―だ。ダースベイダーは元は優れたジェダイだったが、瀕死の状態をシディアスに救助されて身体改造されて蘇えったのだ。
  やがて、帝国は、力づくの支配の中核的装置としてデススターを建造して、暗黒卿の意思をあらゆる文明に強制しようとする。

  とはいえ、この銀河系全域すみずみまで帝国レジームの支配が貫徹することはなかった。というのも、エゴイスティックな暗黒卿の帝国は、銀河系の各地方に君臨する地方ボスや豪族たちの権力に依存して、その権力の伝達や権益の保持をなしとげていたからだ。
  地方ボスたちは、当面の利害の算盤勘定で、あるいは暗黒卿の力に屈服して、臣従を誓っているにすぎないから、帝国の監視や軍事力のおよばないところでしこたま自分の権力を濫用したり、私腹を肥やしたりしているわけで、その意味では暗黒卿の権威に信服しているわけではさらさらない。利己的な理由で臣従しているだけで、折あらば抜け駆けし反抗する。
  要するに、自分のローカルな権力や権益を維持するためには、当面の策として帝国のレジームに面従していた方が得だから、あるいは力の優劣差が大きいから仕方なく、臣従しているのである。

  それゆえ、力の空白がいたるところに存在し、共和派の残党があちこにち拠点を構築して、帝国レジームや暗黒卿の権力に抵抗していた。
  こうして、銀河系の力関係は時を追って変化し、帝国支配のレジームに風穴を開けて突き崩そうとする共和派と、これを圧殺しようとする帝国派=暗黒卿とのあいだの果てしない戦いが展開していく。
  そして、暗黒卿が倒されると、別の覇者が帝国を構築して銀河システムを支配しようとすることになった。

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