スターウォーズ・シリーズ 目次
スターウォーズの宇宙世界観
『スターウォーズ』シリーズ
本考察のねらい
遠い昔、はるか彼方の銀河系で…
ジェダイとシス
比較天体論
因縁の敵対関係
アナキン・スカイウォーカー
アナキンを取り巻く銀河世界
  通商連合の分離反乱
  シスの謀略
  シディアスの独裁
  母の死、そして殺戮
  ジオノーシスでの決戦
共和政崩壊とジェダイの滅亡
ダースベイダーの誕生
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風の谷のナウシカ

因縁の敵対関係 ジェダイ対シス族

  さてフォースとは、宇宙の摂理によって働く力を自己の力としてコントロールし利用する能力を意味するらしい。要するに超能力だ。
  ある生物個体(個人)がこのような能力を修得するためには、幼い頃から特別の訓練・修練が必要だという。そこで、この銀河世界に安定した秩序をもたらそうと構想したジェダイの祖先たちは、元老院という制度装置とともに、ジェダイたち自身による権力装置=制度を構築したという。
  その制度とは、ジェダイ評議会の創設であり、評議会は元老院の諮問機関ならびに軍事的監察機関ととして位置づけられた。
  そして、こうしたエリート装置の担い手を永続的に再生産するために、ジェダイ聖堂――特別の修行と研究を担う修道院のような教育的=宗教的組織――を設立した。聖堂の指導者たちは、全銀河系の小文明(各惑星の生物群)からフォースを獲得する高い資質を備えた幼児を探し出して聖堂に集めて、首尾一貫した系統的な教育・育成するシステムを形成した。

  ところで、ジェダイがジェダイたるゆえんの根拠は、「正義の遵守」であって、政治的には銀河連邦共和政レジームの維持と、各小文明のあいだの自立と対等性を尊重する秩序と平和の維持という任務を果たすことにある。自分の私的・個人的欲望や利害のためにフォースを使用してはならないという規約があるらしい。
  ところが、大きな威信と権力(影響力)を持つジェダイ階級のなかには、苦しい自己鍛錬を経て修得したフォースを自己の利害や欲望の充足のために利用して何が悪い、と考える逸脱者もいた。
  自己抑制の訓練から脱落して、支配――自己中心的な秩序をつくって他者への従属を要求すること――やそのための征服や破壊のためにフォースを駆使したがる者どもだ。
  そうなることを、フォースの暗黒面(ダークサイド)への転落・逸脱と呼ぶ。つまり、ダークサイドのジェダイになるわけだが、そういう者どもをシス族と呼んで、ジェダイ階級の討伐の対象、敵対者とみなした。

  数万年の昔、共和制の創設期には、そうしたシス族が跋扈して党派=徒党を組んで自分たちの支配地を獲得するための征服戦争を挑んできたらしい。そこで、ジェダイ階級は、彼らを討伐殲滅する戦いを組織した。そして、ほとんどのシス族を攻め滅ぼした。
  平和と自己抑制を求めるジェダイだが、自分たちの理想とする価値観やレジームへの敵対者には容赦せずに攻撃と破壊をおこなったのだ。
  こういう発想は、1970年代後半、やはり冷戦時代のイデオロギー的拘束から逃れられなかったことから来ているのかもしれない。世界システムに生きるあらゆる構成員たちが守るべき規範や価値観、秩序があるべきだという発想だ。

  とはいえ、わずかに生き延びたシス族がいて、彼らはジェダイへの復讐を狙いながら、じジェダイからの脱落者・逸脱者を抱き込んだり洗脳したりして、密かに反乱の拠点を築こうとしてきた。場合によっては、ジェダイになりうる(フォース獲得)資質を持って生まれた幼児を、ジェダイが探し出す前に誘拐して、シス族として育成していた。
  生き物は生臭い自己欲望や支配欲に取りつかれると一時的に異常に強くなることがある。で、シスも個人としては、ものすごく並はずれて強力なフォースを修得して、すぐれたジェダイよりも戦闘能力が大きくなるらしい。激情や憎悪が破壊力を増幅するからだろうか。あるいは、逆境のなかで反乱者として生きる覚悟ゆえにか。

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