炎のランナー 目次
原題について
あらすじ
作品が描いた時代と主題
ハロルド・エイブラムズ
ジェントルマン階級
エリートとスポーツ
疎外感と挑戦意欲
異端とエリート
仲間たち 新世代エリート
エリク・リデル
統合装置としてのスポーツ文化
王室の権威よりも信仰を選ぶ
エリート内部の世代格差
ブリテンとアメリカ
アメリカの挑戦
翳りゆく栄光
レジーム変動
ハロルドとエリクの挑戦
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政治史・経済史・法制史の研究
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原題 Chariots of Fire 1981年

原題について

  原題を直訳すると《炎の戦車》になります。
  「チャリオット:戦車」とは、古代のローマや中国で、戦場で軍を指揮する将帥や弓兵などが乗っていた1頭立てや2頭〜4頭立ての馬車のこと。
  題名の意味は、ただ単に勝利をめざして走るランナーという以上に、自らに課した使命や理想、目標のために走る人物像を主人公としたからではないでしょうか。

異端の挑戦とエリート主義

  1924年オリンピック・パリ大会に出場するブリテンティームの2人の陸上選手、ハロルドとエリクは、陸上界の古めかしい体質と権威主義に反発し、自分自身の名誉と精神的自由をめざして戦いを挑み、みごと勝利しました。彼らが求めたものはなんだったのでしょうか、そして、彼らが果敢に挑戦した権威はどんなものだったのでしょうか。

  ところでこの時代、経済や政治、文化に加えてスポーツの世界でもブリテンの国際的優越はアメリカをはじめとする新興勢力の挑戦を受けていました。

  1920年代、イングランドの世界覇権は目に見えて衰微していきました。この力関係の変化は、経済や政治、軍事力だけでなく、スポーツの世界でも起きようとしていたのです。
  王権=国家の威信を暗黙(つまり、誰にも当たり前)の旗印にしながら、スポーツをあくまでエリート個人の余技と位置づけるブリテン。
  一方、アメリカは、スポーツをエリートへの登竜門としながら、選手育成を「国をあげて」組織化し、科学的トレイニングと分業=専門化システムを導入して成績を追求していました。そして、ビズネス=産業の1部門としてプロフェッショナル・スポーツを育成し、マスメディアとの緊密な連携を組織化しようとしていました。
  ここに描かれた時代は、まさに社会や政治との関連におけるスポーツの位置づけが構造転換しようとしている状況にあったのです。その意味では、この作品はすぐれて政治的なメッセイジを含む内容をもっています。

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