訴  訟クラスアクション 目次
大企業 vs 市民、・・・
原題について
見どころ
あらすじ
クラスアクション
不法行為責任の追及
営利企業としての法律事務所
自動車事故
父 と 娘
法廷でも敵味方に
板ばさみの苦悩
裁判をめぐる力関係と駆け引き
エステルの死
証人つぶし
マギーの戦いのスタイル
パヴェル博士の試験
隠蔽された報告書
人生の岐路
タッカーの闘い
父娘の絆、そして法律家どうしとして
父親譲りの反骨精神
悪役に徹する?
タッカーとマギーの計略
決 定 打
決   着
法廷闘争もの映画作品
評   決

マギーの戦いのスタイル

  マギーは訴訟でのアルゴの防衛戦略の立案と法廷闘争の指揮者となった。
  同僚や後輩の尻を叩いて、ステイションワゴン「メリディアン」の開発・設計・製造・苦情処理をめぐるあらゆる事実関係を調査させた。とくに、開発・設計段階での記録を詳細に精査させた。

  その結果、そのステイションワゴンの設計仕様が決定される直前に、事故=衝撃実験を繰り返していた科学者がいた事実をつかんだ。アリグザンダー・パヴェルという工学博士で、当時、アルゴの性能試験や衝撃試験の専属の担当者だった。
  彼は、設計上の問題について提言したり、性能評価の報告書を提出したりしていた。 ところが、それに関する資料・文書がなかなか見つからなかった。アルゴの資料保管倉庫は巨大で、どこから手を着けたらいいか見当もつかないのだ。
  そこで、マーガレット自身がパヴェル博士の現住所を調べて訪問することにした。

パヴェル博士の試験

  パヴェルは今、辺鄙な田舎に隠遁して、農耕の傍らで、畜獣動物の飼育や交配実験に没頭していた。彼はすっかり年老いていた。
はじめて顔を合わせたマギーが、「アルゴ社のメリディアン」の件について話を聞きたいと伝えても、すぐに記憶が戻らなかった。それでも、話しているうちに、試作自動車の設計仕様についてテストを繰り返したことを思い出した。
  ところが、十分な試験を経ないうちに、公式の試験は打ち切られることになったという。設計部長(副社長)のゲッチェル博士から、試験打ち切りの指示が出たのだ。そこで、パヴェルは、自費で試験を続けることにした。というのも、「引っかかる点」があったからだ。
  試験を続けるうちに、設計上の問題が浮上した。

  左折のブリンカーを点滅させると、電気配線のあいだにアーク(弱い火花や光電)が発生することが頻繁にあるのだ。もし、そのアークが燃料タンクまで届けば、まさに燃料の爆発的燃焼が起きてしまう。つまり、左折表示の点滅中に車体に衝突などによる衝撃を受ければ、悲惨な火災事故を呼び起こす危険性があったという。
「まさに爆弾だったよ」とパヴェルは言った。
「そんな危険な問題について、アルゴ社に報告しなかったのですか」とマギーは尋ねた。
「もちろん、報告書を提出したさ。ゲッチェルに手渡したよ」
「その文書を見ることができますか」
「ここにはないよ。報告の土台になったノートもアルゴに引き渡してしまったのさ。だから、アルゴの資料保管庫に行けば、読むことができるよ」
  パヴェルが報告書を提出したときに、すでに設計仕様は今の方式で確定して製造ラインが設定され、メリディアンは大量に製造販売されていたという。

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