刑事フォイル第6話 目次
エースパイロット
原題の含蓄
戦時経済統制
石油燃料の配給体制
燃料横領事件
サマンサの潜入捜査
パブ・フラミンゴ
コニーの妊娠
コニーの転落死
レックスの覚悟
サマンサ危機一髪
犯行の手口
 
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パブ・フラミンゴ

  この地区には、あのフランク・ガノンが経営するフラミンゴというパブがある。
  その客は、近隣住民のほか、空軍基地の若い兵員やバネットの会社の従業員の若い女性たちだった。レックスやアンドリュウはしばしば、それぞれに恋人をこのパブに誘ってデイトをし、楽しんでいた。
  休日の夜、サマンサもコニーやヴァイオレットに誘われてパブに出かけた。
  その夜、パブには貯蔵設備の改修工事をしている職人、ショーン・オハロランも来ていた。
  サマンサは貯蔵設備やベネットン会社についてショーンにいろいろと質問した。
  後ろ暗いところがあるらしいショーンは、そんなサマンサを警戒して逆に問い詰めようとした。


  ショーンに詰問されているサマンサを見たアンドリュウは割って入ってショーンにパブから出ていけと迫った。アイアランド人とイングランド人とのあいだには反目や反感があるため、この口論がきっかけとなって、アイアランド人仲間とパイロット仲間とのあいだに乱闘が起こった。
  アンドリュウがアイアランド人と殴り合っているのを見たレックスは、コニーの制止を振り切って乱闘に加わった。
  パブのマネジャーは、騒ぎを鎮めるためにすぐに警察を呼んだ。

  騒乱事件は警察によって空軍基地にも報告され、翌朝、アンドリュウは上官から叱責を受けた。
  アンドリュウも含めて概ねブリテン軍兵士の若者たちはアイアランド人を嫌悪ないし差別していた。
  その原因は、イングランド王国によるアイアランドの支配と抑圧の長い歴史にある。ブリテン軍はアイアランドでの反乱や蜂起の鎮圧のために駆り出され続けたから、とくに兵士たちは軍組織の雰囲気や教育をつうじてアイアランドに対して敵対感情を抱くようになっているのだ。アンドリュウもそうだった。

  しかも、この戦争ではアイアランドはブリテンに同盟することなく中立を守っていて、ドイツとも貿易を継続していた。
  しかし、ブリテン海軍と空軍はアイアランドを軍事的に防衛していた。というよりも、歴史的にイングランド王国に反感を抱いているアイアランドとドイツが接近し同盟することを阻止するために、北海やアイアランド海峡などアイアランド島の周囲を封鎖していたというべきかもしれない。

  ブリテン王国で暮らすアイリッシュ系移民は、こういう差別や偏見のなかで生活していたから、疎外感を強く感じていて、イングランド人に対する反感も強かった。今日のヨーロッパにおけるアラブ・イスラム系移民と似たような社会環境にあった。

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