その真夜中、コニーは下宿先の二階の階段から転落して頸椎を折って死亡した。彼女の遺体を発見したのはサマンサだった。
翌朝、出勤していないコニーを呼んでくるようにベネットから命じられて、コニーの住居を訪ねたからだ。
事件は直ちに警察に通報され、フォイルたちが捜査にやって来た。 死因は転落事故だったが、誰かに突き落とされて殺された可能性もあった。といのは。コニーは燃料の横領に関与していた疑いがあったことから、共犯者によって殺されたかもしれないからだ。
フォイルとミルナーがコニーの遺留品を調べたところ、日記帳が見つかり、彼女が犯罪の報酬を定期的に受け取っていることが判明した。そして、手帳には、レックスではなくアンドリュウの写真が挟んであった。
アンドリュウは疑わしい関係者のひとりとなった。 しかも、生きているコニーと最後に会っていたのがアンドリュウだと知ると、フォイルは厳しく問い詰めた。その結果、アンドリュウの恋人はヴァイオレットで、コニーの相手はレックスだということが判明した。
フォイルは空軍基地を訪れて、指揮官にレックスへの尋問の許可を求めた。指揮官は渋ったが、レックスは尋問に応じた。そして、自分がコニーの結婚を約束した恋人だと認め、彼女のお腹の子は自分の子どもだと告げた。
しかし、捜査を進めると、レックスは同性愛者で、彼が慕っている相手がアンドリュウであることが突き止められた。しかし、当時、「性同一性障害」という見方はなく、同性愛者は「病的で歪んだ性癖を持つ者」と見なされていた。軍ではそのことが発覚すると、軍籍を剥奪され群から追放されることになっていた。
そういう規範意識はレックス自身も共有していた。だから、彼はコニーを偽の恋人に仕立て上げて正常な男性であることを装い、アンドリュウと同じ戦闘機部隊に所属し続けようとしたのだ。
ところが、自らの妊娠を知ったコニーが自暴自棄になって、レックスが同性愛者であることを暴露すると言い出した。そこで、レックスはその日の真夜中にコニーを訪ねて宥め説得しようとしたのだが、取り乱したコニーは階段から足を踏み外して転げ落ちて死亡した。
そのときレックスは、転落死を通報することなく、逃げ帰ってしまったのだ。