アルフレードがアーダと恋に落ちた頃、オルモも恋人を見つけました。
彼女は教師ですが、どうやら都市部の労働組合か共産党関係の団体から、農村での組織化や教育活動のために派遣されてきたオルガナイザーのようです。
やがて2人は結婚し、娘をもうけます。が、オルモの妻は産後の肥立ちが悪く、衰弱死してしまいます。
しかし、ベルリングィエリ農場では、農民への抑圧や労働条件の切りつめはひどくなる一方です。ついに、オルモは常傭関係から追い出され、臨時の仕事にありついて生活の糧を得るしかなくなりました。
そんな頃、アルフレードは父の急死の報を受けて地主館に戻り、農場の地主経営者としての地位を引き継ぎました。そしてアーダと結婚します。
しかし、この館でいっしょに育ち、将来アルフレードとの結婚を願望していた従妹は、強い嫉妬を抱き、怒りのあまりアッティラの情婦になってしまいます。
農場に戻り経営者となったアルフレードにオルモは、アッティラの解雇と追放を強く要求します。が、優柔不断なアルフレードは決断できません。
とはいえ、アッティラに乱暴な振る舞いを止めるよう申し渡します。
アッティラはリベラルなアルフレードの態度を嫌いますが、地主としての権威をもつ彼に表立って逆らう勇気がありません。
その分、鬱憤の吐け口を求めて、陰に回ってさらに狂気じみた行動、残虐な殺人と破壊を繰り広げます。
とくにオルモに対しては、執拗な攻撃を仕かけます。
アッティラ自身が惨殺した少年を殺した容疑をでっちあげ、オルモの犯罪と決めつけてリンチにかけようとします。
そのとき、アルフレードは勇気をもってリンチを阻止することができませんでした。
オルモを救ったのは浮浪者で、精神異常者の振りをして「自分が殺した」と名乗り出て、警察に連行されてしまいました。
自分たちの結婚式の当日に、こんな残虐な光景を目にしたアーダは衝撃を受け、しだいに酒に溺れ、自分の部屋に引きこもるようになります。
やがて、酒を求めて近くの町の酒場に行くようになります。
ある日、夜更けても帰宅しないアーダを探すアルフレードが酒場を探し当ててやって来ます。心配のあまり、アルフレードはアーダを責めてしまいます。
ケンカのあと2人は和解し、車で家路をたどります。
しかし、農場近くの別の地主の館では、未亡人が虐殺されるという事件が起きていました。地主の未亡人を殺したのもアッティラでした。
その現場を目撃したアーダは、ファシストが支配するこの村の異様さに耐えられなくなって、逃げるように村を出て行ってしまいます。
アルフレードは、最愛の妻を失ってしまいました。