ニューオリンズ・トライアル 目次
陪審評決は金で買え!
あらすじ
原題と原作
見どころ
デイトレイダーの狂乱
銃器メイカーに対する訴訟
陪審員の選任での駆け引き
ニコラス・イースター
「陪審員は売り物」
ニコラスの暗躍
陪審員をめぐる攻防
ウェンデルの苦悩
ニコラスの正体
空回りするランキンの攻撃
ランキンの失策

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陪審評決は金で買え!

  「陪審員評決は金で買え」というと多くの人は眉をひそめるかもしれない。しかし、裁判制度がが権力秩序を維持するためのシステムの一環をなしている限り、判決が支配階級あるいは統治を担うエリートなど権力と富を握る社会集団に有利になりがちなのは、近代国家におけるいわば「法則」とも呼べるほどに顕著な傾向だ。
  日本でも「水俣病訴訟」などのいわゆる「公害病裁判」の動きを見れば、裁判制度は弱者に冷たく巨大企業や政府に甘いという傾向は如実だ。
  日本よりもはるかに露骨に弱肉強食や富の権力の論理が貫徹・横行するアメリカでは、結局のところ、より多くの金を投じて訴訟対策を売った側が裁判で勝つ傾向はさらに強い。たとえば、有力な企業や団体は巨額の顧問料を支払って一流の法律事務所(弁護士集団+訴訟コンサルタント)を雇って、訴訟での優位を獲得していく。
  もちろん、すべての裁判が富と権力を保有する側に有利な判決を示すわけではない。だが傾向として、富と権力を保有する側が有利な判決を獲得する確率は大きいということだ。

  今回の作品『ニューオリーンズ・トライアル(ニューオリーンズ市での裁判という意味)』(2003年)は、高い報酬で雇われた訴訟コンサルタントがクライアントに有利な判決を勝ち取るために、どんな手立てを取るのかという手口を――誇張して――描いている。誇張はあるのだが、本質はそんなものなのだろう。
  つまり、裁判は「正義のありかを求める」過程というよりも、むしろ金や情報力、影響力を動員する策謀のぶつかり合いの場、あるいはコンゲイムでしかないというわけだ。したがって、裁判に正義を求める側も、勝つためには策を弄さなければならないのということになる。

あらすじ

  ルイジアナ州ニュウオーリーンズの金融街で銃乱射事件が起きた。取引きに失敗して破産したトレイダーが錯乱し、オフィスに侵入して銃を乱射して多数の死傷者を出したのだ。
  まもなく1人の被害者の妻が、銃を無際限・無節操に流通させている銃メイカーを相手取って過失責任の民事賠償を請求する訴訟を起こした。代理人は市民派弁護士のウェンデル・ローアー。
  ところが、銃製造会社(とその団体)は巨額を投じて有力な法律事務所ローファームと陪審コンサルタントのランキン・フィッチを雇い、盗聴や脅迫などあらゆる手を使って陪審評決を操作しようと画策した。彼らのスローガンは「陪審評決は金で買い取る!」だった。
  ランキン・フィッチは陪審員団の弱みを調べ上げ、脅迫や買収で評決を思い通りにしようと暗躍することになった。ところが、陪審員団のなかにいたニコラスという若者が、フィッチの謀略を阻止しようと動き回る。
  脅迫や買収などによる陪審員評決の操作の作戦を妨害されたランキン・フィッチは、陪審員団のなかで画策するニコラスの正体をつかもうとする。フィッチの指示を受けてIT専門家や調査員たちはあらゆる情報をたぐり、しだいにニコラスの来歴や出身地の情報に近づいていった。
  一方でフィッチは、ニコラスの仲間マーリーの排除(抹殺)をねらったが失敗した。結局追い込まれて、1500万ドルを送金して、陪審評決を金で買うことにしたのだが……。

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