ゴールィキーパーク 目次
政治体制と職業意識
原題について
見どころ
あらすじ
旧ソ連での刑事政策(犯罪理論)の変遷
  古典的刑法理論
  マルクシズムからの批判
  ソ連の古典的犯罪理論
  抑圧体制と政治犯罪
公園の惨殺死体
捜査線上に浮かんだ面々
検死解剖
女性の顔面の修復
事件捜査への闖入者
イリーナとアルカーディ
3人の被害者
ゴロドキンの悲劇
イリーナの危機
闇のネットワーク
最終決着
  
◆ゴールィキーパークへのオマージュ◆
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ゴロドキンの悲劇

  だが、オズボーンには、もう1人邪魔の人物がいた。偽イコン商人のゴロドキンだ。しかも、この小悪党は、アルカーディの情報提供者インフォーマントだった。ゴロドキンは、オズボーンとコスティア、カーウィル、ヴァレーリャとの結びつきを知っているし、さらに櫃の調達話にも絡んでいる。その櫃が、イコンの密輸を装ったクロテンの密輸のためのコンテナ代わりになったことにも、いずれゴロドキンもアルカーディも気づくに違いない。
  今日も、ゴロドキンは殺害された3人をめぐる情報をかき集めて、モスクワ警察にご注進に出かけたようだ。そして、アルカーディは、オズボーンと3人の被害者とのつながりに確信を得たようだ。
  まずい状況だ。
  オズボーンは、かねてから買収しているKGBの汚れ仕事専門のエイジェントを利用することにした。
  アルカーディは、ゴロドキンからの情報聴取を終えると、同僚のパーシャを護衛につけて家まで送らせた。ところが、その2人のあとをKGB工作員が尾行していた。工作員は、2人がゴロドキンのアパートに戻ったところに忍び寄り、2人を射殺した。そして、物的証拠になるかもしれない櫃を奪い去った。

イリーナの危機

  オズボーンは、ヴァレーリャの親友のイリーナも消そうとしていた。とはいえ、今度も自分の手は汚さないようにした。
  アルカーディがイリーナに会いにいこうとしてところ、彼女を尾行する2人の男たちがいた。イリーナは尾行者に気づいて、逃げ出した。男たちは追いかけた。
  イリーナは地下鉄の構内に逃げ込んだが、男たちに追いつかれてしまった。男たちは、イリーナを押さえつけて扼殺しようとしていた。
  そこにアルカーディが駆けつけて、最初の1人はなんとか倒すことができた。だが、2人目は手ごわかった。それでも何とかイリーナを助け出すことができた。そして、アルカーディは自分のアパートの部屋に彼女を匿うことにした。

  彼女を襲った2人は、KGBの工作員だった。
  アルカーディは、オズボーンがKGBやソ連の権力者と結びついていて、息のかかったKGB要員を金で動かして、ゴールィキー公園の殺人事件の証人を片端から抹殺しようとしている、と説明したが、亡命のためにオズボーンに頼り切っているイリーナは信じようとしなかった。
  「亡命のルートの1つ」を握るオズボーンを敵に回すことを拒否していたのだ。
  イリーナはアルカーディの言い分や質問に反発しながらも、アルカーディの誠実な人柄に強く惹かれていった。それで、まもなく2人は愛し合うようになった。

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