原題: The Hunt for Red October (1990年)
原作: Tom Clancy, The Hunt for Red October, 1984 (邦訳版 トム・クランシー著『レッドオクトーバーを追え』角川書店)
原作・原題の意味は「レッドオクトーバー狩り」。
「レッドオクトーバー(赤い十月)」とは、この物語では、旧ソ連の先制攻撃型の超巨大な潜水艦の名前で、たぶんロシアの10月(社会主義)革命にちなんだものと思われます。
「ハント」には、「狩り立てる」「追い詰める」「探索する」という意味があります。
ソ連海軍とアメリカCIAプラス海軍とのあいだで展開する、超巨大潜水艦の探索をめぐる争いが、物語の中心です。
見どころ:
これは軍事分野のコンゲイム(巧妙なだましのトリック)を描いた作品です。そのプロットは気のきいたウィットに富んでいます。
ただし、観客はだまされることはないのですが、だましの手口の巨大さに驚くでしょう。私の知るかぎり、マクティアナンの最高傑作!
原作もまた、トム・クランシーの最高傑作だと思う。
1984年初冬、北大西洋でソ連の最新鋭の大型原子力潜水艦、レッドオクトーバーが消息を絶った。
それは、無音推進装置を備えた先制攻撃用核ミサイル潜水艦で、通常のソナーには捕捉されずに攻撃目標に接近、先制攻撃するために開発された原潜だった。
この艦の艦長ラミウスは、艦もろとも士官全員でのアメリカ亡命を企てていた。しかも、亡命の意図をクレムリンに通告していた。
ソ連海軍の大艦隊が亡命を阻止するために分厚い包囲網を敷き、レッドオクトーバーの撃沈をめざしていた。
他方、CIAのアナリスト、ライアンは亡命計画を察知して、亡命作戦成功のために探索を開始する。
ところが、ッドオクトーバーは、艦内に潜むKGBの工作員によって無音推進装置を破壊されてしまった。
通常の航行に切り換えたとたん、ソ連機に発見され雷撃を受けた。破壊工作と実弾攻撃のショックで、艦内に不穏な空気が広がった。
しかし、ラミウスはそれを利用して、亡命士官団以外の全クルーの退避作戦を立てる。
そして、大がかりなトリックで亡命は成功したかに見えたそのとき、旧僚艦コノヴァロフの攻撃を受けることになった。
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