DVDカヴァーより
ニューヨークでのロベルタとニック、レクシーの新生活が始まった。ロベルタにとっては、ヴァイオリン教室をはじめとして、自立を志向する女性としての新たな経験、試行錯誤が待っていた。
ところで、当面、ロベルタ母子にニューヨークでの住居を提供したのはブライアンだった。自宅に彼女らをいっしょに住まわせたのだ。ブライアンは独り暮らしだったし、取材や調査でしょちゅう家を空けていたので、あまり支障がなかったからだ。
ブライアンは、少年時代からロベルタに憧れていたことをロベルタに告げた。今でも好きだと。恋心を打ち明けられたロベルタは、まだチャールズとは正式に離婚していないということを理由に、ブライアンの求愛を拒んだ。だが、夫に捨てられた寂しさもあって、ついにブライアンと性交渉を持つようになった。
しかし、ブライアンは自由恋愛主義者でボヘミアンだったので、この恋愛関係は結婚にまで行き着くあてはなさそうだった。
ブライアンは、リベラル社会派のジャーナリストで、これまではメクシコなどからの移民労働者(の生活や社会的地位など)の問題を調査していた。このほど、彼は州政府からの財政支援(補助金)を受けて、移民労働者問題を連邦各地で調査するプロジェクトを進めることになった。
というわけで、ブライアンは翌朝、テクサスに向け旅立った。そのあと、カリフォーニアに調査に行く予定だという。というわけで、2、3か月はニューヨークの自宅には帰らないという。
近隣の事情も分からないロベルタは、子どもたちの通う学校選びや入学手続きからはじまって、買い物をする場所やら何やら、まさに独力で開拓しなければならくなった。
ロベルタはいつまでもブライアンの家にいるわけにもいかないので、貸家を借りた。母子3人で暮らす狭い家だった。