のだめカンタービレ 目次
題名について
あらすじ
殺伐さのなかの癒し
外れっぱなしの出だし
千秋真一、そしてトラウマ
千秋とのだめ
のだめ、そして謎
最大の謎は音楽的能力
のだめのメンタリティ
西洋音楽と楽譜
千秋の方法論
千秋とSオケ
若者たちの成長
のだめの成長
でも、やっぱりのだめ
のだめカンタービレ 別の記事
物語や人物設定などの考察
音楽がテーマのサイト
オーケストラ!

外れっぱなしの出だし

  それにしても、物語の出だしのズッコケぶりには戸惑いました。

  ヨーロッパに行くことができなくて絶望しかけている千秋。壁に寄りかかりながら「心の師匠」ヴィエラを回想するシークェンス。
  プラーハの市街を流れるモルダウ(ヴルタヴァ)河。
  穏やかな流れと近代初期(16、17世紀)の面影を強く残す美しい街並みの風景。
  スメタナの「モルダウ」の出だしの旋律が流れてきそうな…
  と思ったのですが、流れる曲はドゥヴォルジャークの「組曲:ボヘミア」。「チェコ組曲」とも呼ばれるようです。
  これもまた哀愁漂う美しい曲です。そしてオーケストラの演奏会風景…

  と、格調高く始まったのに。


  生意気盛りの少年が出てきます。ガキのくせに父親のコネを利用して、あちらこちらの演奏会にもぐり込み、しかもオーケストラのハーモニーのエッセンスを「聴き盗って」いくのです。
  で、あるとき、「タマゴッチ」が縁で、その少年は、世界的に有名な指揮者、セバスティアーノ・ヴィエラと知り合い仲良くなるのです。
  演奏会場で優雅にオーケストラを指揮していた世界のマエストロが、少年が落としたタマゴッチに魅せられて仲良くなるなんて・・・

  そして、おもちゃの飛行機の胴体着陸。これは、千秋が体験した事故――トラウマとなって飛行に搭乗できなくなる原因――を連想させる場面です。

  なんだ、この調子の落差は!?
  なんで描き方(お金のかけ方)にこんなに差があるんだ。
  のっけから疑問(問題意識)を抱きながら、物語の進行を追うことになったのです。
  場面や人物などの落差を見せることは、喜劇のおかしさを演出するための有効な手法だとはいわれますが。この差はすごい!

  私から見ると、このドラマは「軽いミステリー仕立て」にもなっています。
  つまり、物語が進行するにつれて、のだめと千秋という主人公2人の深層のメンタリティにかかわる問題(トラウマ)の実態が描きこまれ展開し、やがてその真相・原因が解明されていく、というように。

前のページへ | 次のページへ |

総合サイトマップ
ジャンル
映像表現の方法
異端の挑戦
現代アメリカ社会
現代ヨーロッパ社会
ヨーロッパの歴史
アメリカの歴史
戦争史・軍事史
アジア/アフリカ
現代日本社会
日本の歴史と社会
ラテンアメリカ
地球環境と人類文明
芸術と社会
生物史・生命
人生についての省察
世界経済