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千秋真一には、トラウマが2つありまあす。
その1つ目が、千秋真一の「飛行機恐怖症」。
11歳のとき、プラーハから日本への航空便、ジャンボジェット機が車輪機能のトラブルで胴体着陸するという事故に遭ったのです。
そのために、以来、真一は飛行機に乗れなくなってしまったというのです。いろいろな治療を試みたにもかかわらず。
つまりは、単なる事故によるPTSDではないようです。心のもっと深層に何かがあるらしいのです。何かが、彼の心に封印をかけているようです。
さらに、幼い頃の水難事故で、船にも乗れないというのです。これが2つ目のトラウマです。
で、海外には出られません。
心の底では指揮者としてクラシックの本場、ヨーロッパで活躍したい、そのためにヨーロッパに行って学びたいと願っているのですが。
しかし、このままずっと日本に閉じこもっているしかない、と本人は深い絶望を背負って生きているのです。
かなり、ズッコケ気味ですが「悲運の貴公子」というわけです。
悲運の貴公子なのですが、真一はすごく「いいところの御曹司」です。
両親は彼が11歳の頃に離婚したのですが、父親はヨーロッパで活躍する天才的な日本人ピアニスト。
母親は大富豪=財閥のお嬢様で、離婚後に実家に戻って、今はグループ企業の財団の理事長をしているようです。
その財団は、世界的に音楽文化の普及活動とか芸術家をめざす若者の留学支援事業にも手を伸ばしているというのです。
だから、金に困ったことは一度もありません。しかも抜群の美男子。
本人は、ピアノの天才としての才能を受け継いでいて、幼くしてヴァイオリンの演奏で才能を開花。少年期にウィーンのコンクールで優勝した経験も。
大学生の今では、ピアノも凄腕。ただし、本人としては、ピアノは苦手で、満足できるレヴェルから程遠いから、音楽大学ではピアノ科に在籍して修練を積んでいるのだといいます。
でも、両方の楽器とも学園では並外れたトップ。
要するに、フィクションとはいえ、男たちから見れば、鼻持ちならない気障りなヤツなのです。
ところが、キャンパスでもどこでも、彼の周りには彼に憧れ慕う若い女性たちが群れ集まります。付き合う女性は、それこそ「より取り見取り」のはずですが・・・。
けれども、彼は女性に対してナイーヴのようです。禁欲的、ストイックです。
ところが彼自身は、指揮者になるために、精進していてまるで求道士のよう。いつも女性たちの熱い視線のはるか上方に彼の視線は向けられています。
それがまた、女心をさらにくすぐるようです。