3つの物語「ユニバーサルソルジャー」「ソルジャー」「サイバーソルジャー」
そのとき、アルカディアの上空には、ミーカム大佐の指揮する宇宙艇が現れた。
大佐は、この惑星で新ソルジャー部隊の実戦演習(教練)をおこなう計画を立てていた。アルカディアを探査探検して征服し、ソルジャーの軍事拠点にするつもりだった。この惑星には住人はいないはずで、もし演習最中に住人を見かけたら、それは敵対者と見なして(交渉や調査もなしに)攻撃殲滅するという方針だった。
メイスがトッドの棲家を探し当てたとき、おりしも着陸した宇宙艇から武装した新ソルジャーの歩兵部隊とタンク(装甲戦闘車両)2台が出撃した。そして、部隊は遠方からトッドとメイスを視認すると攻撃を始めた。メイスはタンクの砲撃で片足を吹き飛ばされ、トッドの応急手当も虚しく死亡してしまった。
タンクと歩兵部隊はコロニーに向かっていた。トッドは、彼らの後を追った。
コロニーでは、軍隊が攻めてくるということで、銃による武装で防御態勢を取ったが、タンク砲や歩兵の兵器によって吹き飛ばされ、薙ぎ倒されていった。トッドは生き残った人びとを救出するために、陽動と反撃を準備した。沼や廃棄物の物陰を利用して、新ソルジャーを1人ひとり倒していった。
新ソルジャー兵士は実戦経験がなかったため、経験豊富なトッドの奇襲・陽動に動揺して効果的な反撃もできなかった。
トッドは、この惑星の地表をときおり襲う突風を利用して、歩兵部隊をあらかた片付けてしまった。そして、1台のタンクの乗員をグレネイドで殺して、タンクを奪い取った。残るタンクには、ケイン607が搭乗していた。ケインだけが生き残った。
トッドは、奪ったタンクをもう1台に衝突させて、擱挫させ、ケインを外に引き出した。こうして、トッドとケインの一騎打ちが始まった。
廃棄物の荒野を戦場にした戦いでは、体力では劣るトッドが勝ち残った。
一方、宇宙艇の司令室では、新ソルジャー隊員が次々に連絡を絶ち倒されていく状況に動揺していた。この惑星には、恐ろしい戦闘能力を備えた敵がいる、と。
臆病風に吹かれたミーカム大佐は、調査もしないで、この惑星を「惑星破壊爆弾」で吹き飛ばそうと考えた。
それに反対するチャーチ大尉を射殺し、大意の指揮下で予備役で乗船していた旧ソルジャー隊員たちに爆弾の運搬と設置を命じた。設置後60分後に爆発するようにタイマーを設定させた。
ところが、旧ソルジャー隊員が爆弾を設置して帰還しようとしたとき、彼らの目の前に、生き残った住民を率いたトッドが現れた。トッドは、もともとは彼らの小隊の軍曹で指揮者だった。だから、たちまちソルジャーのメンバーを掌握してしまい、ミーカム大佐の狙いを聞き出して、逆に宇宙艇の奪取作戦を開始した。
トッドが指揮する旧ソルジャー隊員たちは、あっさり宇宙艇を乗っ取りミーカムとその部下(腰巾着)を船外に放逐して、宇宙艇を発進させた。爆発が迫る惑星の引力圏から、宇宙艇はかろうじて脱出できた。そして、安全な移住地を求めて、宇宙艇は宇宙を航海することになった。