サイバーソルジャー 目次
サイバー兵士の心
原題について
見どころ
サイバーソルジャーとは何か
ユニヴァーサルソルジャー
ヴェトナム戦争
1990年代後半 アメリカ
サイボーグ部隊
秘密の綻び
ユニソルの暴走
故郷の家での戦い
ソルジャー
人格なき人間兵器
兵士のスクラップ&ビルド
アルカディア234の住人
意思疎通能力の欠如
トッドの孤独
新型ソルジャー部隊の侵略
サイバーソルジャー ソロ
ユカタン半島のジャングルで
ソロの逃亡
インディオの村で
ゲリラ部隊との闘い
軍とゲリラとの結託
サイバーソルジャー2号
森に消えたソロ
サイバーソルジャーの「心」
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評  決

サイバーソルジャーとは何か





  サイバー兵士とは何だろうか。
  これを考えるためには、IT=バイオテクノロジーを駆使して兵士を創出しようとする組織や制度がどういうものかを見る必要がある。純然たる戦闘マシーンとしての兵士を求めるのは物理的暴力を独占し、行使しようとする軍組織だ。
  命令や任務に忠実で戦闘能力(これには打撃への耐性・回復力の強さも含まれる)のよりすぐれた兵士を求めるのは、軍という組織の傾向(基本的な要求)の1つだ。それが極端に走ると、SFの世界では「人造兵士」の創出ということになる。
  SFにおいて、こうした軍の傾向や要求から実験的に「人造兵士」が創出される。

  この場合、いずれにせよ、脳や中枢神経は、人造兵士を生み出す側によって用意された制御装置や人工知能システム、あるいは改造プログラムによる訓練=マインドコントロールによって、兵士となる生体または機械の知覚や反応、推論や判断、行動などが制御されることになる。
  そこで、人工的にプログラムされた脳・中枢神経を持つ兵士ということで、これらを「サイバー兵士」と呼ぶことにする。


  ここでは人造生体の兵士が生み出されるプロセスとして、3つのパターンが対象となる。
  1つ目は、死亡ないし脳死した兵士の肉体に生物工学的な処置を施して再生させて、戦闘マシンに改造して、生まれた兵士。一種のサイボーグだ。
  2つ目は、幼時の段階から人為的なプログラムで「人格=意識改造」「肉体改造」をおこなって創出された兵士。この場合には、自然の生命体として加齢による成長や成熟、そして衰えとか躊躇などの変化が避けられない。
  3つ目は、人型ロボット、すなわちアンドロイド兵士だ。アンドロイドの頭脳には「人工知能」がインストールされ、永続的な学習能力などもプログラムされる。高度の知能と学習能力によって知性や感情(つまり「心」)を獲得していく。やがて「心」生物ないし人間個体としての「意識」「人格」が生まれるかもしれない。

  私たち「普通の人間」にとっては「心」は言わば当たり前のものとして、ことさら意識的に考えることもない。だが、「心」は生得的、自然発生的に生まれるものではないようだ。良くも悪くも、日常的な人間社会・コミュニティのなかで形成されるもので、社会的な個性と言える。
  ここに登場する主人公たちは、その「心」の機能そのものや「心」の育成環境を奪われた状態で、「戦闘マシン」になることを強要された存在だ。端的に言えば、「心」の抑圧状態ないし不在状態から「心」を回復ないし獲得していく物語でもある。
  それは、「心」という側面から、人間とは何か、人とは何か、パースナリティ=アイデンティティとは何かという問題提起を含んでいる。

  登場する「兵士たち」は、バイオテクノロジーやサイバーテクノロジー、あるいは教育訓練プログラムによって、知覚や思考・判断を「戦闘」という特殊な機能だけに特化・限定され(つまり、ほかの機能については抑圧ないし消去され)、戦闘のための判断・反射能力、筋力、運動速度、格闘能力などが、通常の人間と比べてけた違いに拡大されている。
  そして、軍組織のなかでは、本来、戦闘・闘争のための純然たる「道具」「装置」として扱われるものだった。人格や個性(パースナリティ=アイデンティティ)は少しも認められらない存在でしかなかった。
  軍組織によって彼らに期待されているのは、命令に無批判に盲従して、善悪や好悪の判断なく、冷徹無慈悲に戦いを遂行し、破壊や殺戮、鎮圧活動をおこなうことだ。
  ところが、偶然遭遇したできごとによって、あるいは学習によって、抑圧されていた個性や感情、欲求を回復または獲得していくことになった。

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