3つの物語「ユニバーサルソルジャー」「ソルジャー」「サイバーソルジャー」
ソロは、将軍が探索部隊の全滅を知ったならば、サイバーソルジャーの新型を送り込んでくるだろうと見込んだ。そこで、村人全員をジャングルに避難させ、マヤの墳墓に入り込んで待機した。
やがて、サイバーソルジャー第2号がやって来た。なんと、その容貌はマッデン大佐そっくりだった。将軍が、破壊力を増したアンドロイド兵士の冷酷さにふさわしい相貌を与えたのだ。
第2号は、村のなかで倒れているマッデン大佐に近寄ると、ソロの動向を聞き出した。そして、冷酷に大佐を抹殺した。
第2号は墳墓を探り出して入り込んだ。なかでは、凄まじい闘争が繰り広げられた。第2号の方が戦闘(破壊)能力そのもので、ソロをずっと上回っていた。ただし、実戦経験はなかった。
やれっぱなしのソロは、村人から学んだフェイントを応用して反撃した。致命的な打撃を受けて運動不能に陥った振りをして、第2号を油断させて打撃を与え、心臓部を破壊してしまった。
けれども、内部で激しい破壊が繰り広げられた墳墓は、石柱がすっかり破砕されたために崩落してしまった。瓦礫と粉塵のなかに2体のアンドロイド兵士は埋もれて消え去った。
墳墓があった丘はすっかり崩壊してしまった。
村人は、ソロも崩れた墳墓に埋まってしまったのではないかと心配した。
しかし、やがて、森の奥からなにやら機械的な笑い声が聞こえてきた。ものすごく大きな笑い声。
ソロは村人も救出でき、凶暴な第2号をも倒して、お気に入りの深い森のなかで暮らし続けることができるようになった。森の生き物たち、小鳥やサルや山猫などが大好きなソロとしては、人間どうしの戦いのないジャングルのなかが一番安心できる棲家なのだ。
愉快に違いない。人は愉快なときに声を上げて笑う。村人との生活のなかで学んだ行動様式を、いまソロは実践している。アンドロイドだが、「心のまま」に動く喜びを感じるまでに、成長=学習したのだ。