3つの物語「ユニバーサルソルジャー」「ソルジャー」「サイバーソルジャー」
この事件は解決までの時間が長引いたため、マスメディアが事件の模様を報道していた。テレヴィ・リポーター(ジャーナリスト)のヴェロニカ・ロバーツが、事件の推移を追いかけていた。彼女ははじめは報酬目当てで報道していたが、ユニヴァーサルソルジャーによる異様に迅速な解決になにやら不審を嗅ぎつけた。
現場で指揮に当たった軍幹部のコメントはそっけなく、事実上「ノーコメント」だった。そこで、ヴェロニカは、現場から撤収する軍のトレイラーを、カメラマンとともに、こっそり追跡した。
トレイラーは人里離れた砂漠まで来ると停止して、ユニソル兵士の検査や損傷したメンバーの回収・修復のための準備に入った。その動きを調べるために、ヴェロニカはカメラマンの反対を押し切って、カメラをもってトレイラーに接近した。
すると、胸にひどい銃撃を受けて絶命したはずの兵士が、氷漬けの箱のなかから起き上がった。ユニソルの実態を知らないヴェロニカは驚愕して、逃げ出したが、そのとき大きな音を出してしまった。
ヴェロニカとカメラマンの闖入を察知した指揮官は、GR44号(デヴロー)と13号(スコット)に2人の補足拘束を命じた。
ところが、13号は、若い女性が逃げ出す光景を見て、やはりヴェトナムでの絶命の直前の記憶をフラッシュバックしてしまった。 「裏切り者は殺せ!」という異常な衝動によって13号は殺戮を始めてしまったのだ。スコットはカメラマンを殺し、ヴェロニカにも銃撃を浴びせ、爆薬を投げつけた。
それを見た44号は、ヴェロニカを連れて逃げ出した。デヴローが若い女性を連れて逃げ出すのを阻止する、そして抹殺する――スコット(13号)は、死の直前の記憶と脳の衝動のままに動き出した。