刑事フォイル第7話 目次
作戦演習
女性秘書の転落死
スティーヴン・ベック
ウォーカー邸侵入事件
ハリーとルーシー
子どもたちの資源回収
模擬作戦演習
惨殺されたハリー
殺人事件の捜査
子どもたちの冒険
ベックの極秘任務
デヴリンの戦線復帰
サイモンの狂気
フォイルが仕かけた罠
 
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フォイルが仕かけた罠

  フォイルにとって問題は、その小箱がサイモンの所有物であることを立証することだった。そうすれば、サイモンの殺人罪もE&E食品の利敵行為も立証できるからだ。そこで、ルーシーに協力してもらうことにした。
  小箱を見つけた翌日、ルーシーはその小箱をウォーカー邸にいるサイモンに返却しに行った。サイモンがそれを自分のものと認めて受け取った直後に、フォイルは警官隊を率いて屋敷に乗り込んで、その場で小箱を証拠品として押収し、サイモンをハリー殺害で逮捕した。

  サイモンは、演習の日の朝、フィルビーと会って、ハリーを実弾許可地の境界の見張り役とするように言いつけた。ハリーと会って、盗品の返却を迫るためだった。
  そのため、サイモンは見張りに立っていたハリーにリヴォルヴァー拳銃を突きつけて、盗んだ小箱の返還を迫った。あくまで知らないふりをするハリーの額に銃を押しつけてロシアン・ルーレットを始めた。
  もちろん、脅しのつもりだったが、3回目に実弾が発射されてハリーの額を撃ち抜いてしまった。サイモンはハリーを殺したこと自体にはまったく痛痒を感じなかったが、小箱のありかを聞き出す前に殺してしまったことを悔やんだ。


  ハリーが死んだため、サイモンは妹のルーシーに地代免除という条件を提示して、小箱の隠し場所を探し当ててさせようとしたのだ。
  真相を言い当てられたサイモンは、狂気じみた表情でハリー殺害を認めた。罪悪感のかけらも見せることなく、優越する者が虫けらのように無力な者を殺したことを誇るように。その小箱を取り戻す理由も、会社のスキャンダルを隠すためというよりも、むしろ反ユダヤ主義者として「戦利品」を取り戻すためだったようだ。

  サイモンが護送車に引き立てられていったあとに残されたレジナルドに対して、フォイルは冷たく言い放った。
  「これで、あなたの会社はおしまいですね。利敵行為をした上に、ナチスによるユダヤ人迫害に手を貸すような真似をした。そのうえ、その事実を隠蔽するために、重役である子息が国内で殺人事件を起こしたのですから。
  会社の業務は停止させられ、財産は没収されるでしょう。
  そうなったのも当然です。あなたたちは、企業の経営者としてのみならず、それ以前に人間として守るべき倫理を踏みにじってきたのですから」
  そう言い置いてフォイルは館を出た。
  その直後に邸内で銃声が響いた。レジナルドが自殺したのだ。

  さて、事件解決のために貢献した資源回収隊の子どもたちは、何トンもの古紙を供出してコンテストの古紙部門で優勝し賞金を獲得した。彼らは、その金で、たくさんチョコレイトを買って食べようと語り合ったようだ。

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