続きを語る前に、主なキャスティングを紹介しておきましょう。
ラミウス艦長: ショーン・コネリー
副長: サム・ニール
ライアン: アレック・ボウルドウィン
マンキューソ艦長: スコット・グレン
ペルト: リチャード・ジョーダン
レッドオクトーバー軍医: ティム・カーリー
というように、そうそうたるメンバーです。
レッドオクトーバーの亡命プロットを語るためには、物語の時間を少しもどさなければなりません。
それは、レッドオクトーバーがキャタピラー推進に切り換えて、ダラスの追跡を振り切ってからしばらくしてからです。
レッドオクトーバーは巨体をものともしない高速(30ノット以上)で、複雑な地形の海底を縫うように航行し続けていました。
そのとき突如、推進装置は停止してしまいました。
超伝導動力装置が爆発寸前(爆発すれば原子炉も損壊する)で自動停止したのです。
原因は、制御回路の一部が壊されていたからでした。何者かが破壊工作を仕かけたのです。
艦内にはスパイ(工作員)が潜んでいるのです。GRUか、それともKGB(国家保安委員会)か?
やむなくラミウスは、原子炉を止め、予備動力でプロペラを動かして艦を推進させることにしました。動力とキャタピラー装置の修理には、まる1日ほどかかりそうな状況でした。
しかし、プロペラ推進では速力が落ち、しかも特有の振動=音響によって、たちどころに敵=ソ連の艦船や哨戒機に発見・攻撃されやすくなってしまいます。
しかし、航空機も含めたソ連海軍の大がかりな探索体制が組織されたからには、艦の音響がどこかで捕捉されているでしょう。だから、同じところに身を潜めることもできません。
ところが、ソ連で最高の原潜指揮官であるラミウスは、追撃をかわすあらゆる戦略と戦術を駆使する能力がありました。
そして、艦に集めた副官と士官たちは、ラミウスが教練したなかでも頭抜けて優秀な士官たちで、海軍随一の陣容です。
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