大誘拐  目次
見どころ
あらすじ
3人の「虹の童子」
おばあちゃん
おばあちゃんの山歩き
誘拐決行
おばあちゃん、3人の人柄を見抜く
驚きの隠れ家
刀自とクーちゃん
クーちゃんの心配
さて翌朝・・・
刀自とクーちゃん
さて翌朝・・・
乗っ取られた誘拐…身代金100億円
県警本部長、井狩
井狩の痛烈な反撃
虹の童子の反撃
警察の追跡網
奇襲作戦
刀自、テレビ中継に登場
山林資産の洗い直し
兄弟姉妹の結束
空のかなたに消えた100億円
刀自の帰還
井狩、刀自を訪なう
井狩、刀自に問いかける
おばあちゃん、「お国」に挑む
刀自の算段
3人の童子の旅立ち
正義の決断
平太の決意
健次の道
作品の奥にあるもの
天本英世のこと

空のかなたに消えた100億円

  その当日の夕方近く、指名された高野パイロットが操縦するヘリが飛び立ちました。その後、コース上を、おりからの北西の季節風をものともせずに、正確に飛び続けました。
  お札の袋の重量が約1トン半、これに満タンの燃料900kgが加わった条件で、おどろくべき操縦技能です。

  やがて、峻険な山並みの上空で「童子」からの連絡が入りました。
  その指示にしたがって、ヘリは深い峡谷の河川敷に着陸しました。中継ヘリも距離を置いて着陸。
  すると、例の3人組がヘリに走り寄り、1人を乗せたとたん、ヘリを離陸させました。そして、放送ヘリには引き返すよう命じました。
  100億円を積んだヘリは、目の前の尾根を越えると、空のかなたに消えていきました。まもなく夕暮れがやって来ました。
  宵闇の訪れとともに、警察によるヘリの爆音の航跡の報告や分析が始まりました。

  そのあと、ヘリはまるで目標を見失ったかのように(一見でたらめに)東西南北、右左と行ったり来たりを繰り返しました。
  警察のなかには「やつら、目標を失って迷走している」と見る向きもありました。けれども、この迷走のような動きの中心には、クーちゃんの家(この一帯を、警察はR地区と呼んだ)があったのです。
  そのうち、ヘリは龍神村の上空を通過し、柳川家の庭に「100億円の領収書」を投下しました。領収書の裏面には、「10月1日に刀自を帰す」と記されていました。

刀自の帰還

  事件から4日後の10月1日、取り込み中の柳川家に電話局から電報受信の知らせが届きました。「御座岬で待つ」という紀美あての電報で、国二郎は「こんなときにデートの申し込みかいな」とタメ息。
  ところが、「あ、俺の家や!」と叫んだのは大作です。警察と家族は、御座岬の大作の家に急行しました。

  大作と英子がドアを開けて日当たりのよいアトリエに飛び込むと、寝椅子に刀自が穏やかな寝顔で横たわっていました。
  「あー、死んではる!」と英子。
  「あほ、こないに血色のええ死人がおるかいな」と大作。
  刀自は、安らかに眠っていた。かくして、刀自は無事に柳川家に戻りました。

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