マジェスティック　その３

レインマン　目次

政治の狂気と庶民の希望

見どころ

あらすじ

ハリウッドの駆け出し脚本家

欺き合いの政治ショウ

泥酔の果てに

さびれた田舎町ローソン

ローソンの悲しみ

ルークの孤独と困惑

アデル・スタントン

「ルーク生還」祝賀会

映画館の再建

忍び寄る「闇」

さらばローソン

委員会との裏取引

アデルからの贈り物

聴聞会での闘い

ローソンの人びと

自由は闘いとったけれど

もう１つの人生の選択

この町の老人たちが渋い！

「マッカーシイズム」について

偏狭化したアメリカ

あらすじ

  第２次世界戦争のあと、1950年代初頭のアメリカ。
  ハリウッドの若手映画脚本家ピーター・アップルトンは、人気脚本家になることを夢見ていた。他方で、観客動員のためにあざとい筋立てを押しつけてくるハリウッド映画界を苦い想いで眺めていた。
  その頃、合衆国では、議会――共和党右派が中心勢力――の主導で煽情的に非アメリカ的活動を追及する全体主義的運動が強まっていた。でっちあげの「共産党員リスト」がまかり通り、多くの映画人が抑圧された。そして、ピーターもその犠牲者になってしまった。
  厭世感と絶望に苛まれた彼は泥酔状態で車を運転したため、事故を起こして海に転落し、見知らぬ町ローソンの海岸に流れ着いた。その町の人びとに救われたアップルトンは記憶を失っていた。

  ピーターは、その町からヨーロッパ戦線に出征したまま帰らない若者ルーカスの容貌にそっくりだったため、町の人びとからルーカスとして受け入れられた。ルーカスの父親ハリーは映画館の経営者だった。
  まもなく記憶を失った若者（ピーター）は、町の人びとの想いを受け止め、かつて町の象徴となっていた映画館を再建しようと決心し動き始めた。町の活力を取り戻そうと願う多くの人びとが修復に手を貸した。そしてついに「マジェスティック」が再開する日が来た。
  映画館には連日多くの住民が詰めかけた。

  ところが若者は、『サハラの強奪者』という作品を観て記憶を回復し、自分がピーター・アップルトンであることを思い出した。そして、ピーターはＦＢＩに拘束され、議会の非アメリカ委員会に召喚され糾問を受けた。ピーターの苦悩の日々が始まった。
  ところが、虚偽と欺瞞に満ちた議会の糾弾劇の愚かさに立ち向かうことを決意したピーターは、「非アメリカ委員会」を痛烈に批判して公聴会場から立ち去った。巧みにメディアを利用したピーターの鋭い機転は、政界の重鎮たちの虚偽を幅き出した。
  だが、メディアをつうじて自分たちの権威失墜が明らかになった委員会は、ピーターを罰することができなかった。欺瞞と虚偽を振りまいて「赤狩り」運動を繰り広げてきた彼らにとっては、真実の解明こそ最も恐れることだった。だから、うやむやのうちに事態を収束させたのだ。
  自由になったピーターは、だが、利潤本位の商業主義がはびこるハリウッドにも違和感を感じていた。そこで、ある決断をした。

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