序章 世界経済のなかの資本と国家という視点
はじめに
1 資本の概念体系について
@ 経済学批判要綱のプラン
A 度外視された問題群
2 生産様式と諸国家体系をめぐる論争
@ マルクスの本源的蓄積論
A ローザ・ルクセンブルクの問題提起
B 生産様式論争
C 従属論争と新従属論争
D 構造的暴力と不平等交換
E 国家導出論争
3 世界システムとしての資本主義
4 「資本の支配」の歴史区分
@ 資本主義はいつ始まったか
A 資本主義の時期区分
B 世界経済の長期波動
C グローバル化のなかの国家
5 世界経済のなかの資本と国家、そして都市
第1章 ヨーロッパ世界経済と諸国家体系の出現
1 私たちの考察の出発点
@ 「純粋培養型資本主義像」を超えて
A 複合系としての資本主義的世界経済
B なぜ、いかにして生成したのか
2 ヨーロッパという独自の文明空間
3 中世的秩序とはどういうものだったか
@ 中世ヨーロッパの地理的区分
A 再生産体系と軍事的環境
B 政治的単位は微小規模だった
C 生産の局地性と流通の広域性
4 遠距離交易と支配秩序の変容
@ 商品交換関係の浸透
A 支配秩序の変動と再編
B 遠距離貿易とヨーロッパ世界分業
C 商業資本の権力
D 地中海貿易と北海=バルト海貿易
E 権力集中と国家形成への歩み
F 王室財政と通貨権力
5 秩序変動と諸国家体系への動き
@ 軍備と政府財政
A 近代的特有の制度としての国境
B 恒常的な財政危機
C 身分制議会と宮廷装置
D 宗教改革と国民的統合
6 絶対王政と重商主義
@ 絶対王政と国民的統合
A 世界市場、国民的統合と重商主義
B 近代国家の初期形態としての絶対王政
C 「市民革命」の歴史的意味づけ
7 世界経済における資本と都市
@ 都市と商業資本
A 世界市場と都市権力、そして国家
8 諸国家体系と世界経済でのヘゲモニー
@ 商業資本の支配と諸国家体系
A 世界経済ヘゲモニー
B 金融資本の支配と諸国家体系
C 産業(工業)資本の支配と諸国家体系
◆マルクス『資本』の方法論研究 目次
補章-1 ヨーロッパの農村、都市と生態系――中世から近代
1 人口増大と農業
農業革命としての三圃制
農耕形態と村落形態
2 領主支配と所領経営
3 周縁の農業経済
4 商品経済化のさまざまな結果
遠距離交易と領主支配の強化
周縁での変化の波
農民反乱とレジーム変動
5 農村と都市をめぐる環境・生態系
森林破壊と生態環境の組み換え
寒冷化と農業危機、疫病
人口危機と再編トレンド
6 世界市場と諸国家体系の形成への動き
7 都市の形成と人口配置
8 宗教都市から商業都市へ
司教座都市
商人層の台頭
9 領主権力と都市
10 交易路と都市の成長
商人権力の成長
通商ネットワークの発達
都市と国家
◆予備的考察 「市場と資本主義」
補章―2 ヨーロッパ史における戦争と軍事組織――中世から近代
1 封建騎士と領主制支配
@ フランク王国と騎士制度
A 領主制と封建法観念
B 西フランクの王権と軍制
2 イタリアの都市経済と傭兵
3 中欧・東欧の軍制と領主制
@ 多数の領邦の分立
A 都市建設と東方植民
4 ノルマン征服王朝とイングランド
5 新たな軍事力と傭兵制
@ 百年戦争と「封建騎士」の没落
A 王権と傭兵制病
B スイス、オーストリアの傭兵
6 中世晩期から近世の軍備と財政
7 国家形成と軍事組織
@ 断続する戦乱
A 近代国家制度への歩み
B 傭兵たちの戦争
8 ヨーロッパの軍事革命
@ 歩兵組織と築城戦術
A 膨張する戦費・軍事費
9 艦隊と海洋権力
@ 地中海
A 北西ヨーロッパ
B 新型艦隊と商業資本
10 軍事と経済との内的結合
第2章 商業資本=都市の成長と支配秩序
1 ヴェネツィアとビザンティウム
@ 地中海貿易とイタリア諸都市
A 十字軍運動と地中海貿易
B ヴェネツィアの海洋権力
2 ヴェネツィアの覇権闘争
@ ヴェネツィアの権力拡張
A 地中海貿易の軍事的・政治的環境
B 通商拠点の支配
C 黒海方面での勢力争い
D ジェーノヴァとヴェネツィア
3 イタリアの軍事的・政治的環境
@ 南イタリアへのアラゴン王権の進出
A 交易路の北西ヨーロッパへの拡大
B 商業をめぐる地政学的環境
C イタリア諸都市の通商活動
4 ヴェネツィアの統治構造と諸階級
@ 都市統治組織(政庁)と支配階級
A 労働者階級と下層民衆
5 優位を支えた通商組織動
@ 航海事業の組織形態と金融制度
A 都市国家による指導と統制
B 貿易圏の拡大
1 都市の領域支配圏域の形成
@ 領域支配の成立過程
A コムーネ運動の前史
B 都市コムーネの権力獲得
C コンタード支配の確立
D フィレンツェの統治構造
2 北イタリアの都市国家群の展開
ヴェネツィア
ジェーノヴァ
ミラーノ
フィレンツェ
3 イタリア都市国家群の文化
異端運動と教会
大学設立と専門家・知識人
4 14世紀の危機とイタリアの地政学的環境
@ 農業危機と疫病、人口危機
A ローマ教会と君侯権力
B 断続する戦乱と権力集中
C イタリア都市国家群の構造的弱点
5 地中海貿易圏の構造的変動
@ 地中海東部での権益縮小
A 商業資本と社会的分業
C 北西ヨーロッパへの重心の移動
6 地中海貿易の構造転換
@ 貿易品目の変遷
A オスマントゥルコの勢力伸長
B ヨーロッパ世界市場の出現
C 金融事情と投資市場の変動
7 「イタリア諸国家体系」の変貌
ミラーノ公国
ローマ教皇領
8 ヨーロッパ諸国家体系とイタリア;
1 都市成長過程の地域的「個性」
2 ヨーロッパ中世都市の成長
世都市とローマの遺制
ローマ教会と都市形成
@ ドイツ諸都市の出現
A 司教座都市の成長
B 遠距離商人の台頭
3 都市の権力構造の転換
コミューン運動と都市統治
4 自立的統治団体としての都市
都市建設と植民
5 東方植民と都市商人
1 北方交易とハンザ同盟の特徴
商人ハンザから都市ハンザへ
2 東方植民と布教活動
3 バルト海貿易圏の形成と都市建設
@ ゴートランドの拠点建設
A 交易ネットワークの創出
B 都市群創設とリューベックの影響力
C リューベックの自立と商人の権力
4 同盟への歩みとバルト海覇権闘争
@ 遠距離商人層の広域的な結びつき
A 商人の結集と都市の権力
B 商人ハンザとリューベックの優位
C 領邦秩序の形成と都市同盟
D デンマールク王権との通航をめぐる確執
5 都市ハンザの確立とフランデルン問題
6 バルト海での覇権確立へ
@ 北欧の諸王権
A デンマールク王権との戦争
B 都市が支配する経済圏域
7 ドイツ騎士団とハンザ
8 ハンザの優位とヨーロッパ分業体系
@ 世界都市を頂点とするピュラミッド
A 都市住民の階級構造
B 諸地域・諸産業の連鎖とヒエラルヒー
ポーランドの悲運
ハンザと北欧諸王国
C 再生産の支配権力としての商業
9 ハンザの衰退
@ 人口構造と価格体系の変動
A 信用・金融システムの未発達
B 諸王権の成長と競争相手の台頭
東欧の諸都市の離脱や通商拠点の喪失
C 協調関係の解体
10 ニュルンベルクの勃興
11 貿易構造の転換と都市の興亡
1 経営手法・経営組織の変革
@ 遍歴から経営本拠の固定へ
A 商業会計と文書記録による管理
2 商業資本の権力集中
@ 仲介貿易・卸売業の優越
A 都市と産業のヒエラルヒー
B 商業エリートの交替
3 都市の構造と住民の生活
@ 都市の空間的構造
A 都市の生活環境
B 都市の権力秩序
ドイツの政治的分裂という事情
1 都市の統治装置の創出
@ 参事会と参審人団
A 都市の財政構造
B 都市の財政と軍事力
2 都市の領域政策の展開と領主権力
@ 都市の領域政策と領邦諸侯
A 教会組織との関係
B 裁判権力と通貨権力
C 帝国レジームと都市
3 都市同盟と地域同盟の試み
@ ライン都市同盟
A シュヴァーベン同盟
B スイスの誓約同盟
4 領邦君侯の統治装置
5 領邦君侯による国家形成
宗教改革と農民戦争
1 世界市場の形成と世界都市
@ 統治コストの飛躍的増大
A 貿易経路の重合
B 諸都市のネットワーク
2 王権の成長と商業資本
@ ヨーロッパ世界経済形成の兆候
A 競争のリスクとコストの膨張
3 ドイツ諸都市の命運
ネーデルラントの挑戦
補章―3 ヨーロッパの地政学的構造――中世から近代初期
1 ヨーロッパ文明の地理的空間
@ イスラムの席巻とレコンキスタ
A 地中海の攻防
B ヨーロッパなるものの形成
2 北西ヨーロッパ――国家形成の特異空間
@ 貿易網の連結
A 北海沿岸の植民と侯国形成
B 北西ヨーロッパの特異な連関
3 フランク王国
@ 大王国=帝国の成立
A 帝国なるものの実態
B 王国の分解と教会組織
4 西ヨーロッパの地政学
@ 西フランク(ガリア)
A ゲルマニア
B ヒスパニア
5 フランス王国の政治的分裂
@ 王権の衰弱と諸侯の対抗
A フランデルンをめぐる角逐
B イングランドの幸運
C フランス諸地方の分立性
F ハプスブルク王朝との対抗
6 イタリアと地中海
@ ローマ帝国の遺制
A ヨーロッパの地中海貿易
B 有力諸王権の対抗
7 宗教改革と権力闘争
8 ヨーロッパ世界経済の出現
@ 格差と敵対の増幅
A 帝国という幻想
B 世界経済の地政学
補章−4 ヨーロッパ諸国民国家の形成史への視座
1 国家の属性をめぐって
@ 国家がない時代の政治状態
A 国家の属性とは何か
B 国家形成をめぐる競争
C 世界市場的連関と諸国家体系
2 中世の政治的・軍事的秩序と封建制
@ レーエン制度の実態
A 王国制度の実態
B 封建的王国の幻想
例証 ブルゴーニュ公国のレジーム
中世晩期の政治体
イングランド王国の実情
フランス王国の実情
C 中世の政治的・軍事的秩序
3 世界市場的連関における国家形成の歴史
@ 都市の優越の終焉
A 多数の諸国家の分立と競争
B 土地貴族と商業資本との結合
4 考察の時空的範囲
国家形成史における世界市場的文脈と階級構造
階級論的文脈における国家形成―都市から国家へ
遠距離貿易と都市権力の成長
都市の階級構造
都市の階級闘争
北ドイツ諸都市の領域主義
領域主義と政治体の生存闘争
北西ヨーロッパ
世界市場的文脈と階級構造
第3章 都市と国家のはざまで――ネーデルラントの都市と国家形成――
1 フランデルン諸都市の形成
@ 都市の地政学的環境
A 都市領主と上層商人
2 遠距離貿易網と域外商人
@ ヨーロッパ貿易の中心地への成長
A 域外商人の影響力
ハンザ同盟
大西洋沿岸地帯の貿易網
イタリア商人の権力と金融循環
B 世界都市の力学
3 商人による生産支配と手工業者
@ 生産過程の構造
A 商人による生産過程の支配・統制
4 都市の階級闘争と諸国家体系
A 都市紛争と領邦君侯
B フランス王とイングランド王の対抗
5 フランデルン諸都市と領域国家
@ ブルゴーニュ公国への編合
A ヨーロッパ世界分業
B ハプスブルク王朝の帝国
1 ヨーロッパ貿易の勢力配置
@ アントウェルペンの繁栄
A ポルトゥガルの隆盛
B ヨーロッパ世界貿易の構造的変動
C エスパーニャの栄光
2 アントウェルペンの挫折
@ 宗教紛争と諸王権の対抗
A エスパーニャ王権の集権化政策
B ネーデルラントの反乱と戦争
3 間奏曲としてのジェーノヴァの隆盛
1 生産諸部門の凝集と生産性
@ 漁業での技術革新
A 農業の生産性と経営形態
B 製造業での優位と通商組織
毛織物産業
造船業など
C 人口構造と産業構造
2 ヨーロッパ海運業・通商での優位
@ バルト海貿易・海運
A 地中海・イベリア方面との貿易
B ヨーロッパ内陸交通経路の掌握
3 アジア貿易と連合東インド会社
@ ヘゲモニー企図と東インド会社
A アジアでの闘争
海洋権力と貿易独占
B VOCの独占と収奪のシステム
4 アメリカ大陸・大西洋貿易
5 金融での優越―富が流入しやすい環境
6 連邦国家成立の政治的文脈
@ アムステルダムの成長と諸階級
A 独立闘争の展開
ネーデルラント総評議会と地方総監
オラニエ公ウィレムと独立闘争
B 反乱諸州と連邦の政治機構
C 商業寡頭制と「州主権」
D 各州の状況
7 州総督と軍事力の編成
8 市民革命としての独立闘争
@ 独立闘争と階級関係
A 近代《国家主権》観念の胎胚
B ユトレヒト同盟の歴史的構造
9 ヨーロッパ諸国家体系とネーデルラント
@ 連邦国家の強さと弱さ
A 政治的分裂と対イングランド関係
B ヘゲモニーの黄昏
第4章 イベリアの諸王朝と国家形成の挫折
エスパーニャ史のパラドクス
1 イスラムの支配とレコンキスタ
@ ローマ期から西ゴート王国まで
A イスラムの支配
2 イスラム支配の黄昏とレコンキスタ
@ イスラム王権の衰退
A レコンキスタの優越
B イスラム王朝の滅亡
C イスラム期の都市と商業
3 レコンキスタとキリスト教諸王権の展開
@ キリスト教君侯権力の形成
イスパニア北東部とフランスとの結びつき
A 諸王権の支配圏域の拡大
B レコンキスタがもたらした社会的刻印業
C メスタ評議会とカスティーリャ王権
D アラゴン・カタルーニャの地中海進出
4 14―15世紀の危機と諸王国
@ アラゴン、カタルーニャの停滞
A カスティーリャの危機と羊毛貿易
B カスティーリャ王権と貴族、地方都市
C 同君連合としてのエスパーニャの成立
5 カスティーリャ王権の集権化とその限界
@ カスティーリャ王権の再編
A 国家装置としての異端審問制度
集権化と言語
B 王権による都市支配の拡大
C 王権とメスタ評議会
D グラナーダの征圧
6 アラゴン王国の併合とイタリア進出
@ エスパーニャ王権の統治思想
A アラゴン地方の分立構造
B イタリアへの進出
7 アメリカ大陸への進出と植民地経営
@ 征服と植民地での経営
A 植民者と本国による統制
B アメリカ大陸での分業体系
8 「帝国政策」とエスパーニャの凋落
@ ハプスブルク王朝と「継ぎはぎの帝国」
A 都市の反乱と王権の再編
諸王国と域外領地
インディアス会議とアメリカ植民地
B 虚像としての帝国
9 エスパーニャ経済とアメリカ貿易
@ カスティーリャ域内経済の疲弊
A 新世界貿易の影響
B 帝国政策の代償
三十年戦争
10 ポルトゥガルの併合と分離
11 エスパーニャの分裂と没落
@ エスパーニャ社会における王権と宗教
A 持続する分裂要因
B カタルーニャの反乱と戦乱
C 王権と国家形成
第5章 イングランド国民国家の形成
冒頭(緒言)
1 ノルマン征服王朝の統治体制
@ ノルマンディ公の征服王権の形成
A ブリテンの地政学的環境
B フランス君侯の属領としてのイングランド
2 王権国家装置の形成と集権化
@ 王権の統治機構の創出
A 王権統治機構の再編
ドゥームズデイブック
B 教会組織および貴族との葛藤
バロンの反乱とマグナカルタ
3 王権と交易関係の浸透
@ イングランドと北西ヨーロッパ貿易圏
A 貨幣経済の浸透と所領、王室財政
B 王室財政と大評議会
4 ブリテンの都市=商業資本と王権
5 王国の地理的拡大
6 百年戦争とバラ戦争
@ ヨーロッパ貿易と百年戦争
A 都市と農村の構造的変動
B バラ戦争と王権の再編
7 ヨーロッパ分業体系とイングランド
@ 王権をめぐる域外商人と域内商人
A 域内商人の力量の増大
B 産業成長と商業資本の権力
C 王権、貴族と商人の同盟
8 テューダー王朝と重商主義
@ 統治機構の再構築
A 王室財政の逼迫と重商主義
B 宗教改革と絶対王政
C スコットランドの宗教改革
9 諸国家体系とイングランドの海外膨張
@ 諸王権の対抗と宗教戦争
A イングランド海洋権力の拡張
B アイアランドへの侵略と統合
C 特許会社と世界市場への進出
10 市民革命と国家機構の再編
@ 庶民院と王権との闘争
A 敵対の構図
B 内戦の帰趨
C 新たなレジームをめぐって
D 議会政派の形成と名誉革命
11 世界経済における国民国家と商業資本
@ 世界経済での優位をめざして
A 財政改革と金融市場
イングランド銀行の設立
イングランド銀行と金融市場
B 金融市場の成長と階級構造
第6章 フランスの王権と国家形成
1 幻想の「王国」と領主制秩序
@ 中世ガリアの地政学的状況
A 領主制秩序と分立割拠状態
2 有力君侯群と王家
@ 西フランクの君侯たち
A 王領地の統治構造と王権の拡張
3 王権の膨張と都市商業資本
@ ヨーロッパ遠距離貿易とフランス
シャンパーニュの大市
A 貿易圏とフランスの分裂状態
B 中世統治秩序のなかの諸都市
C 王権と都市商人との権力ブロック
D ブルジョワジーと王権官僚
3 百年戦争と王権の膨張
@ 支配圏域をめぐる君侯間の闘争
A 軍事システムの転換
主力兵種の転換と戦費
戦費と税制
平和の回復とコスト
B 所領経営の危機と農民民衆の抵抗
所領経営の危機と王権
C ブルゴーニュ、・・・の統合
4 荒廃からの復興と王権の拡大
@ 統治機構の再編と王権の浸透
身分制諮問評議会の開催
身分制諮問組織なき集権化
A 早熟の「重商主義」と商業資本
B ヴァロワ王朝の膨張政策と破綻
5 ユグノー戦争とブルボン王朝の成立
@ 統治レジームの再編と売官制
A 王権統治組織の構築と集権化
6 フランスの経済構造とヨーロッパ世界経済
@ 農業への貨幣経済の浸透
A 製造業と世界貿易
B ヨーロッパ世界分業体系とフランス
C 遠心力と向心力の相克
7 ブルボン王権と諸国家体系
@ 王権の階級的基盤と重商主義
A ヨーロッパ諸国家体系と三十年戦争
8 フロンドの反乱と王権の危機
@ 増税=集権化と諸階級の反乱
A 反乱の収束と再集権化
9 重商主義的政策と絶対王政の確立
@ 王権中央装置の強化
王権による地方の統制と限界
A 権力ブロックの再編と重商主義的政策
B 海外植民地と世界貿易の拡張
C 世界経済のなかのフランス
第7章 スウェーデンの奇妙な王権国家の形成――辺境からの離脱の試み
1 中世北欧諸王国の黎明
@ デンマーク王権の優越
A 北欧諸王国の実態
B スウェーデン王国の生成
2 デンマークの地域覇権からの離脱への道
@ 王位継承紛争
A カルマル同盟
B 同盟内の利害相克と紛争
C スウェーデン独立派王権の試み
3 スウェーデン教会改革と王権統治機構
@ 聖界資産の収奪と貴族層
A 王政の統治慣行の組み換え
B 教会改革と農民反乱
4 北欧・バルト海の政治的・軍事的環境
@ デンマークの王位継承紛争と混乱
A デンマーク王権と教会改革
B ハンザの衰退とスウェーデン経済
5 スウェーデン王権のバルト海進出
6 域内での王権統治機構の成長
@ 王位継承のゆくえと教会政策
A 集権化と貴族層の影響力
B 王政レジームの組織化
C 貴族身分制の再編
7 スウェーデン王権勃興の要因
@ バルト海の地政学的事情
A 域内の人口規模と貴族層の利害
B 王と諸身分(身分評議会)
C 鉄・銅産業の役割
D 鉱工業とネーデルラント商業資本
8 軍制改革と対外的膨張
@ ヨーロッパ軍事革命とスウェーデン王権
A 対外的拡張と三十年戦争
バルト海東部戦線
ドイツ戦線と対デンマーク戦争
B 戦況の転換と講和
9 「帝国政策」と財政危機
@ 王室と貴族との関係
A 王室財政の危機と金融市場
B 銀行設立と金融制度
C ポーランド侵攻と第1次北方戦争
スウェーデン包囲網
「バルト海帝国」
D 大貴族層の専横と外交の混乱
10 「王の専制」と「帝国」の終焉
@ 王室権力の回復政策
A 第2次北方戦争と「帝国」の終焉
◆奇妙ユニークな王権は絶対王政なのか◆
第8章 中間総括と展望
1 商人階級の歴史的位置づけについて
@ 歴史認識の視座について
A 商業資本の運動形態と蓄積様式の変化
遍歴商業から都市定住経営へ
商取引の膨張と金融市場の出現
属人主義から属地主義へ
B 世界市場的文脈における商業資本の役割
2 ヨーロッパ諸国家体系と世界市場
@ ヨーロッパ経済の長期トレンド
A ヨーロッパ諸国家体系とイタリア
B エスパーニャの植民地帝国と大西洋貿易
C ドイツ・中欧の危機と政治的分裂
C ハプスブルク王朝の帝国政策
D ユトレヒト同盟の独立闘争
E 帝国政策の破綻とエスパーニャの没落
F フランスの歴代諸王権の挫折
G ブルボン王権の集権化
H イングランドの国家形成の幸運
I 縁辺からの挑戦――スウェーデン王権
3 ヨーロッパ分業体系と国家の役割
@ 国家(都市国家・領域国家)と商業資本
A 重商主義の時代
B 国家の障壁と世界分業
4 世界都市と諸国家体系
@ 世界経済の支配的中心としての世界都市
A 世界都市と「国民経済」
中世ヨーロッパの出発点
都市と領域国家
世界経済の衝撃が国民を生み出した
B 「経済決定論」を越えて
5 国民国家とは何か
@ 国民国家のイメイジ
A 世界市場的文脈における国民国家
6 商業資本と領域国家・王権
@ 商人と貴族の政治的結集のための条件
A 商業資本の権力の伝達経路
B 王権国家の財政能力
C 行財政の運営スタイル
統治効果と国家領土の広さ
7 重商主義と国家
8 絶対王政と国民国家
9 このあとの研究への展望
進歩史観、発展史観を超えて
国家論・国家史の用語について
領域国家、絶対王政、社団国家
国民、国民形成
《資本》と国家導出論争について
各章、各節単独の目次は、本分各ペイジにあります。
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